『メゾン・ド・ポリス』インタビュー

西島秀俊が語る、『とと姉ちゃん』以来の高畑充希との再会 「すぐ2人のバディ感が出てしまう」

「エプロンの役や料理をする役がだんだん増えて」


ーー今回の役はとても個性的ですが、役作りはどのように?

西島:ひよりは、嘘をついたりつかれることが嫌いなキャラクターです。正義を信じていて、正直であることが正しいことと信じている人。一方で、僕のキャラクターは、事件解決のためならどんな嘘をついたっていい、犯人逮捕することが正義であるという考え方です。だから情報を聞き出すためならものすごく良い人になったりとんでもなく怖い人になったり、結果のためなら手段は選ばないから、ひよりとぶつかっていきます。主人公の対立する軸として、自分のキャラクターを作っています。

ーーなるほど。夏目のエプロン姿も話題になっていますね。

西島:最近エプロンの役や料理をする役がだんだん増えていて、実生活でもエプロンをして、料理をしたりしています。演じている時は違和感ないんですけど、写真の撮影とかになるとどうやって映っていいのか分からなくて(笑)。横に充希ちゃんがスーツを着て立ってて僕がエプロンでいると、どうしていいのか(笑)。自分だけ家の格好のまま出てきてしまっている感じがして、ちょっと不思議な気持ちでいます(笑)。

ーー西島さんと言えば刑事役のイメージが強いですが、今回の刑事役は今までと比べると違う部分があると思います。

西島:僕は刑事の役を演じていても日常のシーンが全然なくて、よく監督と「休日とかも撮りたいですよね。1人で冷蔵庫開けて『なんにもねぇな』みたいなのがあるといいですよね」と言っていました。今回は「メゾン・ド・ポリス」内でのシーンがあるから、捜査している時と日常の時間が描かれるので、夢が叶いました。どんなに怖い顔で捜査をしていても、家に帰ったら料理をしたりしている。今回の夏目はまったく料理ができなくて皆にからかわれたりするので、人格が豹変するほど捜査に長けている人間が、実生活ではすごく不器用なところも演じることができて、すごく楽しんでやらせてもらってます。

ーー刑事ドラマとして『メゾン・ド・ポリス』の魅力は?

西島:「正義」と「悪」が相反するわけではない、実際の世界の複雑さが描かれていて、事件モノとしても楽しんでいただけると思います。どんでん返しがあって面白い展開が毎回続くので、ぜひそこも注目していただきたいです。

「辛さを楽しむような状況」


ーー本作の現場では、若手とベテランの間に挟まれる中間管理職とのことですが、これからのご自身の役者としてのポジションはどのように感じていますか。

西島:昨年に引き続き、今年も新しい挑戦をさせていただけるので、毎回いい意味でのプレッシャーを感じながらやっています。しばらくはこの辛さを楽しむような状況が続いていくのかなと思います。

ーーこんなにご活躍されている今でも、“新しい挑戦”という感覚があるんですね。

西島:本当にありがたいですけど、まったく異なるイメージの役だったり、テーマが大きかったり深い作品のオファーもあるので、一本一本丁寧に深く深く考えてやっていきたいと考えています。

ーー特に挑戦してきたいものはありますか?

西島:現実の社会と密接に関係した作品が増えている傾向があるなと感じていて、そういう作品に出演することは、非常に責任の伴うことだし、自分自身も現実について改めて正面から考えるきっかけになります。フィクションの度合いが高いがゆえに楽しんでもらえるような作品と、どこか現実を反映した作品、分ける必要はないですが、様々な作品に携わって、自分の中で背負えるようになっていければいいなと思います。

(取材・文・写真=大和田茉椰)

■番組情報
金曜ドラマ『メゾン・ド・ポリス』
TBS系にて毎週(金)22:00〜放送
出演:高畑充希、西島秀俊、西田尚美、竜星涼、木村了、戸田昌宏、小日向文世、野口五郎、角野卓造、近藤正臣
原作:加藤実秋『メゾン・ド・ポリス』シリーズ(角川文庫刊)
脚本:黒岩勉
演出:佐藤祐市、城宝秀則
プロデューサー:橋本芙美、芳川茜
製作:共同テレビ、TBS
(c)TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/maison_de_police/

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