『トレース~科捜研の男~』錦戸亮の心の扉を開くのは新木優子? 月9連投で新たな挑戦へ

 沢口はいつもどこか自信なさ気な表情を浮かべているが、真野から背中を押され有里を目の前にし、伝えることを決めた。沢口の視線は真っ直ぐに有里を見つめている。その残酷な過去から、時折俯いてしまうこともあるが、それを察知し、すかさず真野がフォローに入る。「これなら知らなかった方がましです。何の救いにもならない」。そう言って伝えたことに思い悩む沢口に、真野は遺族は真実を知ることで前に進むことができることを諭し、「お前はよくやった」と言葉をかける。

 事件を通して自身も前に進むことができたのか、科捜研に戻った沢口は人が変わったように、笑顔でテキパキと業務をこなしていく。沢口の成長にポイントを置いたストーリーだ。

 演じる新木優子にとっても、『トレース』は大きなステップアップのドラマ。『non-no』の表紙を飾る専属モデルであり、俳優としても活躍する新木。『コード・ブルー~ドクターヘリ緊急救命~THE THIRDSEASON』(フジテレビ系)に始まり、前期の『SUITS/スーツ』(フジテレビ系)、そして『トレース』と、月9連投の快進撃を遂げている。ヒロイン役としては、昨年だけでも『トドメの接吻』(日本テレビ系)、映画『あのコの、トリコ。』『悪と仮面のルール』と多くの作品に出演しており、特に『あのコの、トリコ。』はnon-noモデルのイメージを存分に活かした眩しい女の子キャラを演じていた。

 しかし、今回演じる沢口は言ってしまえば、『あのコの、トリコ。』のような明るい役柄とは正反対の地味なキャラ。だからこそ、沢口を演じる上で表情の作り方や台詞に乗せる感情の強弱は、さらに重要になってくる。『トレース』において、沢口は真野が信頼を置くバディの関係性でもあり、同時に真野の表情を引き出すのは沢口だ。回を重ねる毎に、真野の過去が少しずつ浮かび上がってきているが、彼の心の扉の鍵を開くのは、沢口にかかっているのかもしれない。

■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter

■放送情報
『トレース~科捜研の男~』
2019年1月7日(月)スタート 毎週月曜21:00〜21:54放送
出演:錦戸亮、新木優子、山崎樹範、岡崎紗絵、矢本悠馬、山谷花純、加藤虎ノ介、小雪、遠山俊也、篠井英介、船越英一郎
原作:古賀慶『トレース~科捜研法医研究員の追想~』(ノース・スターズ・ピクチャーズ『月刊コミックゼノン』連載)
プロデュース:草ヶ谷大輔、熊谷理恵
脚本:相沢友子
演出:松山博昭、相沢秀幸、三橋利行
制作:フジテレビ
(c)フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/trace_drama/

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