クドカン率いる『あまちゃん』チームが再集結! 『いだてん』落語を通した“笑い”の視点
1月6日、新しい大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』(NHK)がスタートする。物語の主人公は、1912年に、日本人で初めてオリンピック(ストックホルム五輪)に出場した日本マラソンの父・金栗四三(中村勘九郎)と1964年に東京オリンピック招致に尽力した日本水泳の父・田畑政治(阿部サダヲ)の2人。物語は明治から始まり1940年の幻の東京オリンピックを挟んで、戦後復興の象徴としての1964年の東京オリンピックへと向かっていく。
脚本はクドカンこと宮藤官九郎、チーフ演出は井上剛、音楽は大友良英、プロデューサーは訓覇圭という2013年に大ヒットした連続テレビ小説『あまちゃん』(NHK)をヒットさせたチームが再結集し、東京オリンピックを描くのだから、プレオリンピック・イヤーにふさわしい大型企画だと言えるだろう。
『いだてん』は、あらすじを読むとオリンピック版『プロジェクトX』(NHK)とでも言うような硬派な作品に見える。“オリンピック”と“スポーツ”というモチーフは、“アイドル”と“芸能”を通して東日本大震災を描いた『あまちゃん』チームが取り組むにしては、ややミスマッチにも思える。確かに、“震災”と“アイドル”を描いた『あまちゃん』から、“東京オリンピック”と“スポーツ”を描く『いだてん』という流れは、現代を描くという意味において圧倒的に正しいのだが、ど真ん中過ぎて息苦しく感じ、何もこのチームでやらなくていいのではないかと、当初は思っていた。しかし、作品の語り手(ナレーション)を担当するのが、ビートたけしが演じる古今亭志ん生だと知ると、俄然興味が湧いてきた。