杉良太郎の威厳ある“お裁き”が話題に 『下町ロケット』福澤朗&神田正輝の隠蔽が暴かれる

 「可能性が1パーセントでもあるかぎり、何度も何度も何度も! しっかり調べる。それが技術者だ。自分の立場を守るために嘘をつく、君たちは帝国重工の顔に泥を塗った。恥を知れ!」。奥沢の顎を上げ、怯えるその顔をじっと睨み利かせる。さらに、ゆっくりと野木に近づいては、「野木先生。失礼の段、お許しください」と藤間は野木に対して頭を下げるのだった。帝国重工の社長が謝罪する。それほどまでに、的場らの横行によって帝国重工の信頼は崩れ落ちていたのだ。

 「失敗してさらに責任逃れとは、見苦しいな」と的場にも止めを刺し、その場を去る藤間。その見事な“お裁き”に多くの者が杉良太郎の代表作『遠山の金さん』(テレビ朝日)を彷彿としたのではないだろうか。ドスの利いた声に厳格なオーラも圧倒的だが、セリフとセリフの合間にたっぷりと時間を取ることで、近寄りがたい堂々とした社長の風格を漂わせる。俳優として50年以上ものキャリアを持つ、杉にしか演じることのできない帝国重工社長・藤間秀樹を見せつけられた。 

 次週、第10話でいよいよ“最終回前”へ。佃製作所は、財前から再び無人農業ロボットのエンジンとトランスミッションの供給を頼まれる。課題となるのは、トランスミッションの経験不足。予告映像には、伊丹大(尾上菊之助)の裏切りに失望し、ギアゴーストを辞めた島津裕(イモトアヤコ)の姿も。『下町ロケット』は佃チームが一堂に会し、最終回に向けトップギアで前進していく。

■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter

■放送情報
日曜劇場『下町ロケット』
TBS系にて、毎週日曜21:00~21:54放送
出演:阿部寛、土屋太鳳、竹内涼真、立川談春、安田顕、和田聰宏、今野浩喜、中本賢、谷田歩、朝倉あき、真矢ミキ、木下ほうか、恵俊彰、池畑慎之介、倍賞美津子ほか
原作:池井戸潤『下町ロケット ゴースト』(小学館刊)
脚本:丑尾健太郎
プロデューサー:伊與田英徳、峠田浩
演出:福澤克雄、田中健太
(c)TBS
公式サイト:http://www.tbs.co.jp/shitamachi_rocket/

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