小瀧望、コミカルな演技が物語のスパイスに 『僕とシッポと神楽坂』相葉雅紀との絶妙なコンビ

 東京・神楽坂を舞台に、「坂の上動物病院」の獣医師・高円寺達也(相葉雅紀)とそこに訪れる動物や飼い主たちの温かな交流を描いたドラマ『僕とシッポと神楽坂』(テレビ朝日系)。

 第6話では、すっかり「坂の上動物病院」になくてはならない存在となった達也と、動物病院で働き、あっけらかんとした性格で病院内の空気を明るくする広樹(小瀧望)との対比が印象的だった。

 冒頭、しっかり者のトキワ(広末涼子)に注意され拗ねる広樹の様子が映し出される。トキワは広樹に対してはもちろん、達也に対しても物事をはっきり言う女性だが、広樹は達也とは違い、トキワに対してほんの少しだけ反抗的な態度を見せている。小瀧の演技の端々には、彼自身から発せられる若々しさも感じられる。小瀧の子供っぽすぎないその無邪気さのおかげで、達也のしっかりとした一面が際立つ。なぜならトキワと広樹が言い合いをしているとき、達也は彼らを見守りつつ、いつも通りの日常に安心した様子で、仕事に向かっているからだ。

 第6話のストーリーは、第2話で登場した大沢香子(喜多乃愛)が悪質なブリーダーからチワワを保護したところから始まる。保護したチワワに「ロミ」と名付け可愛がる香子。達也はそんな彼女を保護者のような顔で見守る。その顔つきは、いち獣医師として、そしてロミを守りたいと願う香子をサポートする大人としての顔つきだった。

 一方で広樹は、香子より年上ではあるものの、トキワの息子・大地(矢村央希)と同じくらいやんちゃな友達としての雰囲気を漂わせる。香子が「達也とトキワがキスしてた」と話すと、その真相を知るために「本人に聞きに行きましょう」と空気を読まない発言をするのが実にコミカルだ。

 第6話では、チワワのロミを中心に、香子と香子の母・頼子(ホーチャンミ)、そして香子の母であり、達也の義姉である頼子と達也の関係が深く描かれた。彼女たちの関係に関わるシーンに、達也と広樹の対比が必ず組み込まれているわけではない。しかし彼らの対比が描かれることによって、香子と頼子の複雑な心境を際立たせているように感じた。

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