相葉雅紀が伝えた「虹の橋」に涙 『僕とシッポと神楽坂』“悪役”のいない物語の暖かさ

 ジュリの転院を余儀なくされた田代だが、彼も私利私欲のために治療を行っていたわけではない。ジュリのためになんとかしたいという気持ち、香子の母・頼子(ホーチャンミ)からの要望にも応えないといけないという板挟みだったのだ。達也が行うジュリの手術時間を気にする様子や、動物とじゃれ合う姿を見て、田代の持つ優しさに笑みがこぼれた方も多いだろう。このドラマには“悪役”がいない。みなが誰かのために、ペットのために、何をするべきかを考えている。それが作品全体の暖かさにつながっている。相葉雅紀を包み込む光の柔らかさもあいまって、ある種のファンタジーとも言えるかもしれない。

 無事に手術が成功したジュリは補助輪を付け、再び香子と散歩にも出られるように。しかし、幸せはつかの間、数ヶ月後にこの世を旅立ってしまう。達也は悲しむ香子に「虹の橋」を語る。この世を去ったペットは天国の手前にある虹の橋で、1番元気だった頃の体で大切な人を待っているという。どんなものにも別れはやってくる。でも、必ずまた再会できる。だから、心の中で生き続けていくのだと。虹のかかった草原で走り回るジュリの姿は、ペットを飼ったことがある方はもちろん、大切な何かとの別れを経験したすべての方にとって、胸が熱くなったことだろう。

 心暖まる物語と、モフモフのペットたち、そして相葉雅紀の笑顔。『僕とシッポと神楽坂』は、金曜日の夜に癒やしの時間を与えてくれている。

(文=石井達也)

■放送情報
金曜ナイトドラマ『僕とシッポと神楽坂』
テレビ朝日系にて、毎週金曜23:15〜0:15(一部地域で放送時間が異なる)
出演:相葉雅紀、広末涼子、趣里、小瀧望(ジャニーズWEST)、大倉孝二、村上淳、矢柴俊博、矢村央希、 かとうかず子、イッセー尾形
原作:たらさわみち『僕とシッポと神楽坂』(officeYOU 集英社クリエイティブ)
脚本:谷口純一郎、国井桂
監督:深川栄洋
ゼネラルプロデューサー:三輪祐見子(テレビ朝日)
プロデューサー:都築歩(テレビ朝日)、松野千鶴子(アズバーズ)、岡美鶴(アズバーズ)
制作協力:アズバーズ
制作著作:テレビ朝日
(c)テレビ朝日
公式サイト:https://www.tv-asahi.co.jp/shippo/

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