上野樹里本人とも重なる? 『グッド・ドクター』絵本に込められた“願い”
菜々子は「ひど過ぎるよ」と、一度は辛い思いを夏美にぶつけるが、手術を受け入れ、自分の代わりに健太郎に別れを告げてほしいと頼む。夏美は、健太郎に最初に会ったときに話した「問題なく妊娠することはできますので」とは正反対の「もう赤ちゃん産むのは難しいかもしれません」という言葉を発し、苦しい表情を見せた。
しかし、湊(山崎賢人)の働きにより、「私じゃ、健太郎さんを幸せにすることはできない」と告げられた健太郎が「これだけは自信持って言える。菜々子と一緒にいる俺は間違いなく幸せだって」と手術を終えた菜々子に再びプロポーズをする。健太郎の手には、菜々子が宝物にしていた『100万回生きたねこ』があった。
「たった1人のとらねこと出会えますように」。そう書かれた『100万回生きたねこ』の送り主は夏美だった。第3話でも絵本を作ったように、夏美と絵本の組み合わせが出てくるたびに思い出されるのが、夏美を演じる上野が、東日本大震災後に被災地を訪れ、絵本の読み聞かせをする活動を行っていたときのことだ。徹底的にキャラクターに向き合う芝居が評価されている上野だが、夏美自身にも上野の本来の姿が映し出されているような側面に、上野が演じる夏美にしかない、さらなる魅力を感じることができた。
※山崎賢人の「崎」は「たつさき」が正式表記
(文=大和田茉椰)
■放送情報
『グッド・ドクター』
フジテレビ系にて、毎週木曜22:00放送
出演:山崎賢人、上野樹里、藤木直人、戸次重幸、中村ゆり、浜野謙太、板尾創路、柄本明ほか
原作:『グッド・ドクター』(c)KBS(脚本:パク・ジェボム)
脚本:徳永友一、大北はるか
プロデュース: 藤野良太、金城綾香
協力プロデュース:西坂瑞城
演出: 金井紘、相沢秀幸
制作:フジテレビ
(c)フジテレビ
公式サイト:http://www.fujitv.co.jp/gooddoctor/