『コード・ブルー』成功の理由は“妥協なき追求”にあり? 劇場版ヒットの必然性を解説

 7月27日に公開された『劇場版コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』が好調だ。

 映画興行ランキングは2週続けて1位を獲得。興行収入は36億を超えた。8月17日からは、MX4Dと4DXでの上映が決定しており、まだまだ勢いは止まらない。

 『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』(フジテレビ系、以下『コード・ブルー』)は2008年に1st seasonが放送された医療ドラマで、当時はまだ知られていなかったドクターヘリをモチーフにした作品だった。フライトドクター候補生の藍沢耕作(山下智久)たちが過酷な現場を経験することで医師として成長していく姿が高く評価され、テレビドラマは3rd seasonまで作られ、この度、初の映画化となった。

 筆者は『劇場版コード・ブルー』のパンフレットの取材・監修を担当しており、出演者やスタッフのインタビューに立会い、1st seasonから劇場版にかけて『コード・ブルー』がどのように作られてきたのかについて伺っている。その結果、思ったことは、劇場映画のヒットは、ある種の必然だったということだ。

 まず、成功要因として切り離せないのが宣伝だろう。関東地区では映画公開の前から1st seasonから3rd seasonまでのテレビドラマが再放送されていた。特に3rd seasonは深夜にも再放送し、フェロー(新人医師)の灰谷俊平(成田凌)のエピソードを追加した『コード・ブルー 特別編 -もう一つの戦場-』も放送。フェローたちを主人公としたスピンオフドラマ『コード・ブルー -もう一つの日常-』も5夜連続で放送し、他にもフライトドクターのドキュメンタリー『実録ドクターヘリ緊急救命―命の現場最前線―』も放送した。

 バラエティ番組にも山下智久ら出演者が宣伝のために出演し、すさまじい量のタイアップ企画がおこなわれていた。これだけの物量を投下したのだから、注目するなという方が無理な話である。

関連記事