沢村一樹の“ダークな一面”が物語のポイントに? 『絶対零度』過去シーズンとのリンクにも注目

 7年の月日を経て、『絶対零度』シリーズが帰ってきた。コールド・ケースと呼ばれる“未解決事件”をテーマにしたシーズン1、“潜入捜査”のシーズン2、そして今回“月9”枠で復活したシーズン3『絶対零度~未然犯罪潜入捜査~』(フジテレビ系)は、“未来の犯罪を予測して捜査する”チーム、通称“ミハン”を舞台に新たなストーリーが展開される。

 今作における最も重要なポイントは、主演が前シリーズまでの桜木泉を演じる上戸彩から、井沢範人を演じる沢村一樹へとバトンタッチされていることだ。第1話は、井沢がビルの屋上で男の口に銃口を突きつけ発砲、刑事企画課特別捜査官・東堂(伊藤淳史)からミハンに異動を命じられるところから始まる。引き続き桜木も出演はするが、失踪したストーリーのキーマンとしての位置付けだ。

 井沢は、どこかひょうひょうとしていながらも、ミハンのリーダーとして、テストケースと呼ばれる、これから起こる犯罪を冷静沈着に捜査していく。前シーズンに続き出演となる山内徹(横山裕)は、元特殊捜査班で桜木とバディを組んでいた人物。ミハンに異動するも、警察への不信感と自身の正義感から、度々上司と衝突を繰り返す。

 そこで登場するのが井沢だ。明るく振る舞うムードメーカーのようでいて、気の短い山内をなだめ、捜査に導いていく。テストケースの犯人を追い詰めた井沢は、相手の弾丸にもひるまず、奪った銃を構え、冷酷な表情で犯人に発砲をする。弾は犯人をかすめ、地面に命中。銃撃が初めての山内に微笑みながら井沢が言う「どう、初体験の感想は?」というセリフは、冒頭のシーンとのリンクもあり、井沢の深い闇と狂気を孕んだ危うさを映し出している。東堂が本人に「あなた自身が一線を越えることのないようお願いします」と忠告していたように、井沢はまさに“諸刃の剣”。このダークな一面はこれからのストーリー重要なポイントとなってきそうだが、明るいムードメーカーで、どこかひょうひょうとした面がありながら、決めるところは決める部分は、等身大の沢村一樹のイメージに近しいとも言えるだろう。

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