田中圭、『おっさんずラブ』で人気スターに “モテないサラリーマン”春田に惹かれてしまう5要素
(5)ダメ人間だからこそ「自分だけが魅力に気づける」楽しみも
春田の仕事上のミスを全員でカバーする際、愚痴をこぼす後輩に「逆の立場だったらどうだ? 春田だったら、お前のミスを責めたと思うか」と部長は聞く。絶大な信頼である。
また、営業先を案内してもらった牧は、春田がマンションの管理人や街の住人たちと親しく交流する姿を見ながら、「すごいなあ」と感心する。エリートの牧にとって、営業成績が悪くとも仕事抜き・打算抜きであたたかい関係性を築ける春田は、自分にないモノを持つ人間にうつるのだろう。
後輩の尻拭いばかりしていて、営業成績はいつもビリで、ダメ人間の春田。その魅力に気づけるのは、幼馴染のちず(内田理央)を除いて、デキる男ばかりというのは大きなポイントだ。視聴者もまた、その「デキる人間」たちのフィルターを通すことで、春田の魅力を自分で発見する気分になれる。
そして、この春田のナチュラルな魅力を表現できるのは、これまで様々な役柄をフラットにこなしてきた無色かつ経験豊富な田中だからこそ。恋心を抱くのも、それを思わずカミングアウトしてしまうのも、叶わぬ恋に苦しむのも、あれもこれも春田のせい。つくづく罪作りな男なのだ。
■田幸和歌子
出版社、広告制作会社を経てフリーランスのライターに。主な著書に『KinKiKids おわりなき道』『Hey!Say!JUMP 9つのトビラが開くとき』(ともにアールズ出版)、『大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた』(太田出版)などがある。
■放送情報
土曜ナイトドラマ『おっさんずラブ』
テレビ朝日系にて、毎週土曜23:15〜放送
出演:田中圭、林遣都、吉田鋼太郎、内田理央、金子大地、伊藤修子、児嶋一哉、眞島秀和、大塚寧々ほか
脚本:徳尾浩司
音楽:河野伸
プロデューサー:貴島彩理(テレビ朝日)、神馬由季(アズバーズ) 、松野千鶴子(アズバーズ)
演出:瑠東東一郎、山本大輔、Yuki Saito
制作著作:テレビ朝日
(c)テレビ朝日
公式サイト:http://www.tv-asahi.co.jp/ossanslove/