2018.03.23 16:45

小出祐介×ハマ・オカモト、実写映画『ジョジョの奇妙な冒険』対談　大の原作ファンはどう観た？

小出「のちのち、カルト映画として語られていくんじゃないですかね？」

――ところで、ここ数年来、『ジョジョ』をはじめ、漫画の映画化作品が多いですが、それについてはどう思いますか？

小出：漫画の映画化、相変わらず多いですよね。最近でも、『鋼の錬金術師』とかあったし……あと、『BLEACH』も映画化なんでしたっけ？

ハマ：そうですね。というか、『ジョジョ』の時期は特に多かった気がします。

小出：あ、そうだ。この映画をちょっと警戒していたのは、正直『進撃の巨人』のあとだったからっていうのもあるんですよね。そういう意味で『ジョジョ』は、すごくちゃんとしてた。

ハマ：でも、『デスノート』の映画なんかはすごかったじゃないですか。

小出：ああ、そうだね。

ハマ：世間的な評判も良かった気がしますし、クオリティ的にも、すごかった気がしていて。それこそ、さっきの話ではないですが、物語上重要な「死神」たちが、実写の人物たちと、何の違和感もなく同居していたというか。

小出：だから『ジョジョ』は、『進撃の巨人』とか『鋼の錬金術師』の流れじゃなくて、そっちの流れだったのかもしれないよね。

――そのふたつの流れを分けるものって、何なんでしょうね？

小出：CGを使う実写映画としての説得力に尽きるのかなと。もともと、CGの背景にCGのキャラクターが飛び交う、そこに俳優さんが絡んでいくのって、国内映画製作の予算感的にクオリティーを担保するのが難しいんだろうなと思うんです。さすがに隅々までCGを行き渡らせるのが難しいというか。実際、ある映画は「出来事」のCGは頑張ってるんだけど、背景がずっと止まっちゃってて、躍動感がなかったんですよね。そういう意味で『ジョジョ』はCGの使い所をきちっと精査していた気がします。それこそスタンドの描写に力を注いでいますよね。そして、海外ロケや美術で、実写としての説得力を増幅させているというか。CGと実写の合わせ方がすごく上手かったんだと思います。

ハマ：観ているうちに、そういう違和感の様なものが積み重なると、やっぱりダメなんでしょうね。

小出：あと、作品世界の作り込みがしっかりしていても、それを台詞で説明するみたいなのは、やっぱり良くないと思うんですよね。まずはちゃんと、画で見せて欲しいというか。

ハマ：作っている人たちが、何にポイントを置いているかも大事なんでしょうね。『ジョジョ』は、キャストも今勢いのある若手をきちんと起用していましたし……。

――山崎賢人、神木隆之介、小松菜奈、岡田将生、新田真剣佑……よく考えたら、すごいキャストがそろっていますよね。

小出：のちのち、カルト映画として語られていくんじゃないですかね？　あの人たち、みんなこの映画に出てたんだって（笑）。

ハマ：本当にその通りで、とりあえずみんなに観てもらいたいですよね。自分たちもそうだったからわかりますが、原作ファンの人に限って警戒してしまうところがきっとあると思うけど……。

小出：まあ、警戒するよね（笑）。

ハマ：それはしますよ（笑）。実写で役者が「オラオラオラ！」とか言ってるんだから（笑）。でも、本当にそういう人こそ観たほうがいいと思いますね。とにかく出来がすごいので。僕は心底びっくりしました。

小出：うん、なるべく多くの人に観てもらいたいよね。で、こうやって、観たあとにいろいろ話すのが、また楽しいというか（笑）。それが映画の楽しみだとも思うので。

※山崎賢人の「崎」は「たつさき」が正式表記

（取材・文＝麦倉正樹／写真＝伊藤惇）

■リリース情報
『ジョジョの奇妙な冒険ダイヤモンドは砕けない第一章』
3月23日（金）リリース

コレクターズ・エディション Blu-ray ￥7,800（税別）
コレクターズ・エディション DVD ￥6,800（税別）
スタンダード・エディション Blu-ray ￥4,800（税別）
スタンダード・エディション DVD ￥3,800（税別）

＜コレクターズ・エディション＞特典映像
◆特典 DISC1
・スタンド CG スペシャルムービー
・スタンドアクションクリップ
・メイキング
・キャラクターPV（仗助編/康一&由花子編/虹村兄弟編/アンジェロ編/承太郎編）
・公開記念ナビ

◆特典 DISC2
・製作発表記者会見
・第17回ヌーシャテル国際ファンタスティック映画祭ワールドプレミア
・ジャパンプレミア舞台挨拶
・公開記念舞台挨拶
・JOJOリーゼント部イベント
・大ヒット祈願イベント in 護国寺
・山崎賢人（映画版）×小野友樹（TVアニメ版）W仗助による公開記念舞台挨拶