亀梨和也、栗山千明との禁断の恋 『FINAL CUT』“制御できない愛”がもたらしたもの

 事件の被害者である志穂ちゃんの遺族もまた、志穂ちゃんを愛している。事件から12年経った今、突然真犯人がいると言われても受け入れられない。ずっと憎んで来た女園長が犯人ではないのなら、この怒りはどこにぶつければいいのだろうか。女園長の息子である慶介が犯人の息子ではないとわかっていても、愛する娘にお焼香をあげるのは耐えられない。感情をコントロールできず、つい娘の仏壇の前に座る慶介を突き飛ばしてしまう。その反動で、生前志穂ちゃんが折っていた折り紙が床に散らばった。その中の一つに、「しょうた」と「しほ」の似顔絵が内側に描いてある折り紙があった。“折り紙”の語源は、確かな品質が保証されている物という“折り紙つき”から来ている。つまり、折り紙の中に描かれていた似顔絵は、真犯人が祥太であることを“間違いがない”と証明しているようであった。

 余談だが、チェインストーリーのタイトル「FAKE(偽りの顔)」「IDEOLOGY(信念)」「NIGHTMARE(悪夢)」「ATTRACTION(魅力)」「LIAR(嘘つき)」「CONFESSION(告白)」「UNITY(団結)」「TOPCASTER」それらの頭文字を取ると『FINAL CUT』になっている。これは、これまでの『FINAL CUT』の物語を表現している。

 チェインストーリーの中で、ワイドショー番組『ザ・プレミアワイド』人気司会者の百々瀬塁(藤木直人)が、趣味であるクロスワードパズルに「Fake・Ideology・Nightmare・Attraction・Liar・Confession・Unity」という落書きをしていた。『FINAL CUT』は物語自体が“クロスワードパズル”になっているのかもしれない。クロスワードパズルは、カギと呼ばれる文章によるヒントを元に、タテヨコに交差したマスに言葉を当てはめて、すべての白マスを埋めるパズル。 これまで『FINAL CUT』で描き出されて来た12年前の事件のヒントが、すべて集約されつながったとき、見えていなかった“新しい真実”が明らかになるのでは?とつい期待してしまう。そして、百々瀬が書いた落書きの最後の文字には、「TOPCASTER」ではなく、ディレクターの小池(林遣都)が予想していた「TRUTH(真実)」が入ってほしいと願わずにはいられない。

(文=戸塚安友奈)

■放送情報
『FINAL CUT』
毎週火曜21:00~21:54(カンテレ・フジテレビ系全国ネット)
出演:亀梨和也、藤木直人、栗山千明、橋本環奈、林遣都、高木雄也(Hey! Say! JUMP)、やついいちろう、杉本哲太、裕木奈江、鶴見辰吾、升毅、水野美紀、佐々木蔵之介
脚本:金子ありさ
音楽:菅野祐悟
演出:三宅喜重(カンテレ)、日暮謙
プロデューサー:豊福陽子(カンテレ)
制作著作:カンテレ
(c)関西テレビ
公式サイト:https://www.ktv.jp/finalcut/index.html

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