『トドメの接吻』菅田将暉の言葉が意味するものとは? 山崎賢人の怒りの先にある真実
2月11日放送の『トドメの接吻』(日本テレビ系)第6話では、少しずつ明らかになっていく12年前の真相を巡って、山崎賢人演じる堂島旺太郎のいままで見せてこなかった感情的な姿が印象深かった。
尊氏(新田真剣佑)を潰す鍵を手に入れるべく、ひとり香港へと繰り出す旺太郎。彼は長谷部寛之(佐野勇斗)にビデオテープのコピーを探せと協力を要請。クルーズ船の運営会社の社長である長谷部の父が、尊氏の罪のもみ消しに加担したのだという。
旺太郎は「お前の今の幸せは、俺の犠牲の上に成り立っている」と脅しをかけ、渋々承諾した長谷部は「父さんに迷惑をかけるなよ」と意見する。自身の目的のためには手段を選ばない旺太郎だが、これまでいかなる状況でも冷静に判断し、“挽回”するための言葉を選び、行動を起こしてきた。しかし、罪を着せられた父のせいで旺太郎の運命は決定づけられてきた。旺太郎は長谷部に「命令するのは俺だ!」と激しい怒りの感情を見せる。父に罪を着せた側の人間の息子がぬくぬくと生きてきたと思うと、やはり冷静にはいられないのだろう。
その激しい怒りの感情は、宰子(門脇麦)との会話の中でも爆発する。宰子は12年前に遭ったクルーズ船の事故で、自分を助けてくれた幼い兄弟が亡くなってしまったことに心を痛めて以来、「光太」と書かれた小さな靴を大切にしてきた。旺太郎の弟・光太が、あの日履いていたものである。この靴をきっかけに両者とも合点がいき、2人の瞳は潤みはじめる。
彼女にしてみれば、死んだものと思っていた人が今目の前にいるのである。宰子にとっては喜びの涙であり、旺太郎にとっては悲しみと怒りの涙だ。「良かった」と口にする宰子だが、彼は「生きている方がよっぽど辛かったよ」と、生きるために必死だった過去を回想する。「お前を助けたばっかりに……」、さらに「(お前は)光太の命で生きている。お前が俺に何ができる……償え」とたたみかける。こうして2人の間には、主従関係が生まれた。