体験型の新規格“4DX”はジャパニーズホラーをどう進化させた? 4DX専用ホラー『雨女』体験レポート

 

 最近では『マッドマックス 怒りのデス・ロード』や『ガールズ&パンツァー』など、4DX化したことで大きな話題を呼ぶ作品も増えてきている。4DXの効果がイメージしやすい映画とは、特に相性が良いと山田氏は指摘する。「『スターウォーズ』や『ワイルド・スピード』のように乗り物が登場する映画やアクションの大きさを売りにしている映画との相性はすごく良いです。一日の回転数や座席数が少ないということもありますが、販売状況を見ても4DXのチケットから完売していきますね。それに、もともと2D映画だった『ガールズ&パンツァー』が、4DX化してから再度公開したことで爆発的なヒットを記録したように、4DXがヒットの起爆剤となることもあります」

 豊洲が4DXを導入した2014年以降、それまで豊洲のメインユーザー層であった30代~40代のほかに、10代や20代のお客さんも増えたという。4DX利用者の年齢層については「利用者は10代~30代が多いですね。一般的に映画のコアユーザーが30代後半~40代と言われているので、4DXは少し違う層を取り込んでいると言えます。当館が4DXを取り入れた2014年12月頃は、4DXを設置している劇場が10館以下だったのですが、ここ一年くらいで着実に増えていき、現在は30館以上にも及びます」と山田氏。ユーザーからも4DX化してほしい作品のリクエストが寄せられるなど、確実に根付いてきている4DXだが、今後はさらに認知度が高くなると山田氏は予想している。「まだ座席が揺れるだけと認知している人が多いみたいなので、今後も『雨女』のようなオリジナルコンテンツを増やしていき、4DXのことをもっと幅広い層に知っていただければと考えています。やはり、劇場に来ないと絶対に体験できないところが強みなので、そこをどんどん伸ばしていきたいですね」

 映画館に人を呼ぶ新たな施策のひとつとして注目されている4DXが、どう進化したのか。『雨女』で体感してみてはいかがだろうか。

(取材・文=泉夏音)

■公開情報
『雨女』
6月4日(土)全国のユナイテッド・シネマ他にて4DX(R)限定公開
監督・脚本:清水崇
出演:清野菜名、栁俊太郎、高橋ユウ、みやべほの、奈緒、田口トモロヲ
配給:ユナイテッド・シネマ
(C)2016「雨女」製作委員会

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