今週の海外映画トピック

『シビル・ウォー』、海外の反響は? 世界各国の興行収入とその評価

 全米公開に先立ち、4月29日に日本でも公開された『キャプテン・アメリカ/シビル・ウォー』が、世界37カ国での大々的なキャンペーンを始動。映画の興行成績を集積し分析するサイト“BoxOffice”によると、5月4日時点で63%の公開率ながらも、累計興行収入はおよそ2億6160万ドル(約279億4670万円、1ドル106円換算で以下同様)という記録を達成した(参考:BoxOffice調べ)。すでに公開がスタートしたアジアやヨーロッパ、南アメリカなどでワールドワイドな熱狂ぶりをみせている中、本国アメリカでも今作への期待が高まっている。

 全米映画批評サイトの「ロッテン・トマト」では、公開前にマスコミ試写で本作を観た批評家たちのレビューが早くも紹介され、評価は134レビュー中の好評が125、悪評が9で93%の好成績をマークし、99%のユーザーが本作を「観たい」と回答(5月4日時点)。タイム誌のレビューでは「小手先のアクション娯楽大作とは一線を画す力作」と高く評価されている。このような批評家たちの手応え十分の反応と観客の熱狂ぶりからも、『キャプテン・アメリカ/シビル・ウォー』の本国アメリカでの成功は約束されたと言ってもいいだろう。

 一方、イギリスのタブロイド紙「デイリー・スター」のレビューは、「決して完璧とは言えないものの、スーパーヒーローものの傑作であることは間違いなく、ユーモアとドラマとアクションが見事に融合された素晴らしいできばえだ」と称賛。同じくイギリスの新聞ガーディアン紙のレビューは5つ星中4つ星が付き、「栄養価は必ずしも高くはないけれど、一度食べ始めたら病みつきになるスナック菓子のようで中毒必至」とコメント。ストレートな褒め言葉を避けながらも、イギリスもまたアメリカ同様本作に熱い視線を送っている様子。

 日本での『キャプテン・アメリカ/シビル・ウォー』の評価は、「Yahoo! 映画」で4.39、「映画.com」では4.2(5月4日時点)と好評を博しており、BoxOfficeによると公開日から5月4日までの興行収入はすでに1240万ドル(約13億2680万円)を叩き出し、海外興行収入ランキングでは6位にランクイン。興収面ではトップの韓国以下9位台湾、10位香港、11位フィリピン、12位タイ、13位マレーシアとアジア勢が続き、日本の映画館の入場料金が他のアジアの国々より高めの設定(日本1,800円、台湾約1,000円、フィリピン約700円、香港約800円、タイ約600円、マレーシア約600円)であることを踏まえてみても、本作の日本での興収はなかなか好調であると言えるだろう。(参考:BoxOffice調べ

 海外興収第3位を記録したメキシコでは、映画サイト「シネ・プレミア」で5つ星を獲得しており、「今夏必見の最高の超大作」と太鼓判が押されている。日本と同日に映画が封切られたロンドンでは、アンソニー&ジョー・ルッソ監督をはじめ、マーベル・スタジオのケヴィン・ファイギ製作社長、ロバート・ダウニー・Jr、ダニエル・ブリュール、エリザベス・オルセンら主要スタッフとキャストがロンドンに駆けつけ記者会見を敢行。彼らの努力が実を結び、イギリスはヨーロッパでダントツ1位、そして海外興収においては見事2位の座に食い込むことが出来たようだ。

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