『ラヴソング』『ゆとりですがなにか』『OUR HOUSE』……必見の春ドラマを一挙紹介【前編】

 そして、安心してください。テレビドラマの「王道」とも言える「警察もの」は、今クールも手堅く揃っています。今回で11シーズン目となる渡瀬恒彦主演の刑事ドラマ『警視庁捜査一課9係』(4月6日(水)21時~/テレ朝)。渡瀬の「バディ役」を務めるV6の井ノ原快彦をはじめ、お馴染み「9係」の面々も勢ぞろいです。『相棒』に次ぐ長寿シリーズである本作と、4月14日(木)20時よりスタートする、内藤剛志主演の『警視庁・捜査一課長』で、「刑事ドラマのテレビ朝日」の面目躍如を目指します。一方、同じく「王道」のひとつである「医療もの」は、谷原章介が主演する『ドクター調査班~医療事故の闇を暴け~』(4月22日(金)20時~/テレ東)や、深夜枠に剛力彩芽主演の『ドクターカー』(4月7日(水)23時59分~/日テレ)があるものの、「21~22時台」には見当たりません。

  その代わりと言っては何ですが、今クールは「弁護士もの」が2本あります。嵐の松本潤が主演する『99.9 刑事専門弁護士』(4月17日(日)21時~/TBS)と、竹野内豊が主演する『グッドパートナー 無敵の弁護士』(4月21日(木)21時~/テレ朝)のふたつです。上司に香川照之、同僚弁護士に榮倉奈々を揃えるなど、手堅い布陣で臨む『99.9』。一方、「企業法務弁護士」を扱ったドラマとしては、今回が初となるという『グッドパートナー』。同じ「弁護士もの」とはいえ、かなり毛色の違う作品となりそうな2本だけに、それらを観比べてみるのも面白いかもしれません。

 ということで、ざっと駆け足で見渡した限り、今クールの「21~22時台」は、「サスペンスもの」よりも、「ホームドラマ」や「ラブコメ」など、比較的明るいイメージの作品が並んでいるように思われます。しかし、その反動なのか、「深夜の実験場」から、もはや「各局の主戦場」となりつつある「深夜帯」のドラマのラインナップは、それとはまったく異なるテイストのものとなっており……そちらは続く「後編」で、一気にチェックしたいと思います。

■麦倉正樹
ライター/インタビュアー/編集者。「CUT」、「ROCKIN’ON JAPAN」誌の編集を経てフリーランス。映画、音楽、その他諸々について、あちらこちらに書いてます。

関連記事