損害1兆円に1話で2回逮捕?  『こち亀』両津勘吉の今考えるとヤバすぎる破天荒エピソード集

令和じゃアウト?『こち亀』両津過激事件史

 長寿マンガ“こち亀”こと『こちら葛飾区亀有公園前派出所』(集英社)が、連載開始から50周年を迎えた。それに伴い、9月4日から9月6日にかけて全話無料開放キャンペーンが実施されたり、新作TVアニメの制作が発表されたりと、アニバーサリーイヤーにふさわしい盛り上がりを見せている。

 そんななかSNSなどでは、本作の“過激さ”があらためて注目を浴びていた。たしかに令和の感覚で読み直すと、少年誌に掲載していたことが信じられない描写のオンパレードだと感じるかもしれない。実際にどんな話があったのか、まとめて振り返ってみたい。

被害額は怪獣並み! 破天荒すぎる警察官・両津の暴走

 今さら言うまでもないが、本作は亀有公園前派出所に勤務する警察官・両津勘吉が、周囲の人々を巻き込みながらトラブルを巻き起こしていく物語だ。警察官とは言うものの、両津はやることなすことが滅茶苦茶で、数々の大騒動を巻き起こしてきた。

 たとえば39巻「春の舟遊び!?の巻」は、派出所の面々で船上パーティーを行うというエピソード。後輩の巡査で大財閥の御曹司でもある中川が、豪華客船を用意するのだが、それに浮かれた両津は操舵室を力づくで乗っ取ってしまう。

 そして「隅田川下り」を始めると、「開かぬなら このまま通ろう 勝鬨橋」と言いながら閉ざされた勝鬨橋に突っ込み、豪快に橋を破壊しながら突き進んでいく。さらには駆け付けた水上警察の船やマスコミのヘリも破壊するなど、本土に上陸した大怪獣さながらの被害を出すのだった。

 ちなみにこれに続く「魔の給料日の巻」では、両津が葛飾署で大爆発を起こしてしまい、いよいよ懲戒免職になるという話が浮上。結局本庁の温情で免職は免れたものの、巡査として葛飾署から銀座署に飛ばされることになっていた。

 その一方で61巻の「お手柄!?不発弾!の巻」は、両津が仕事をサボって日光に出かけている最中、住民たちが不発弾を発見したところに出くわすというエピソードだ。

 上司の大原部長から1発10万円の報奨金が出ると言われた両津は欲に目がくらみ、白バイ警官の本田と一緒に不発弾を背負って東京まで帰ってくる。しかし本庁の建物をうっかり爆破してしまい、3,000万円を請求される事態になるのだった。

1兆円の損害から高飛びまで 目的のためなら手段を選ばない金銭欲

 さらに身近な人間であっても、容赦なくトラブルに巻き込んでいくのが両津の恐ろしさ。57巻「両津代表取締役の巻」では、中川が取締役をやっている都市開発会社を乗っ取り、強引に“一日社長”になるという展開が描かれた。

 会社の内外でやりたい放題を繰り広げた結果、子会社が5社潰れ、1兆円近くの損害を出すという恐ろしい結果に。最終的には十億円をもって香港に高飛びし、資産の運用で億万長者になるというオチが付いていた。最初は江戸っ子の正義で大企業をこらしめるという動機だったはずが、ちゃっかり自分の儲けにつなげているあたりが、いかにも“両津らしい”エピソードだ。

 両津といえば大の守銭奴なので、ほかにもお金が絡んだ不祥事は数多い。55巻「両さん保険にいらっしゃいの巻」では、“インチキ保険”を作って一儲けしようとする姿が描かれていた。

 両津はまず公園で遊んでいる子どもたちに「ラジコン故障保険」や「テスト保険」を持ちかけるのだが、小銭しか集まらないことを悟り、標的を同僚の警察官たちに変更。「カゼひき保険」や「遺失物保険」などに加入させる。これは一見おいしい契約内容だったが、実は契約書に小さな文字で厳しい条件が記されており、誰にも保険金を出さずに済ませるというずる賢さを発揮していた。

 ほかにも94巻では、日本酒の密造を始めた挙句、事業化して葛飾署の署員たちに売りつけようとする「日本酒密造計画!!の巻」というエピソードも。当然ながら酒税法違反の犯罪行為だが、そこはギャグマンガの世界観。巨大な酒瓶のなかで窒息させられるというオシオキで済まされていた。

1話で二度の逮捕も!令和の感覚ではアウトな「警察・麗子」ネタ

 とはいえ作品を振り返ると、両津が普通に逮捕されてしまう回も存在する。125巻「人生リセット!の巻」では、警察官以外の人生もあったのではないかと悩み始めた両津が、中川の会社でデザイナーとして雇ってもらう展開が描かれた。

 両津は最初こそ芸術家気どりだったが、やがてわいせつなオブジェを量産し、闇ルートで売り始めたことで逮捕されてしまう。しかもそれだけでは懲りず、続けてカメラマンになるがわいせつな作品を裏で売ってふたたびお縄に。1話で二度逮捕されるという偉業を成し遂げた。

 その一方、令和では許されない描写といえば、派出所の同僚・麗子絡みのエピソードも触れずにはおけない。

 105巻「(秘)麗子フィギュア発売中!?の巻」では、麗子のフィギュアを作って販売するという企画に両津が協力。再現度の高い原型を作るため、麗子を睡眠薬で眠らせている隙に全身の採寸を行うのだった。無許可で売り出された1/1サイズフィギュアは飛ぶように売れ、量産体制に入るものの、最後は悪事がバレてしまう……という流れだ。

 本人そっくりの人形を無許可で売り出すというとんでもない暴挙だが、似たような話は何度も出てくる。たとえば108巻「麗子ドールついに完成!!の巻」では、1/6サイズの麗子ドールを作って売りさばいていた。さらにその行為はエスカレートしていき、まったく関係ない麗子の私物まで“麗子グッズ”としてオークションで売り始めるのだった。これだけのことをされていながら、毎度“グーパンチ”で済ませる麗子の懐の深さには驚くしかない。

 犯罪すれすれどころか、直球の犯罪行為すら日常茶飯事だった『こち亀』の両津。しかしそれはそれとして、周囲の人々や読者から“憎めないキャラ”として愛されてきたことも事実だ。誰よりも図太く、エネルギッシュに生きる両津の姿は、令和の今こそ輝いてみえるのかもしれない。

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