佐内正史の伝説的写真集『生きている』が復刊 青幻舎30周年記念プロジェクトで蘇る
写真家・佐内正史のデビュー写真集『生きている』が『復刊 生きている』として、青幻舎から2026年9月中旬に刊行される。
『生きている』は1997年4月に刊行された佐内正史の初めての写真集。決定的瞬間でもなく、私写真でもない写真群は大きな反響を呼び、新たな才能の登場を印象づけた。その衝撃は次世代の写真家にも影響を与え、新しい写真の潮流を生み、写真史的にもエポックな出来事として記憶されている。
同書はその後版を重ねたものの、本文に使用していた用紙が生産中止となったことにより重版が困難となり、2007年の重版を最後に入手が難しい状況が続いていた。
2025年10月に創立30周年を迎えた青幻舎は、メモリアルイヤーのスペシャル企画として、入手困難となった書籍の復刊プロジェクトを始動。読者からのリクエストを募った結果、『生きている』の復刊を望む声が多く寄せられ、今回の刊行が決定した。
復刊にあたっては、オリジナルのブックデザインを手がけた造本家・町口覚の監修のもと、新たな本文用紙選定のための印刷テストを重ね、オリジナルの代わりとなる用紙に辿り着いた。印刷については当時の方法にこだわり、製版フィルムを使用して版を焼き、油性インクで印刷している。一方、装丁は表紙のイメージをアップデートし、復刊として新たな仕上がりとなった。
佐内正史は1997年に『生きている』でデビュー。2003年、写真集『MAP』で第28回木村伊兵衛写真賞を受賞した。2008年に独自レーベル「対照」を立ち上げ、2026年3月には最新作『雷写』を刊行、同時に岡本太郎記念館で写真展「雷写」を開催する。近著に『Strong memory』『写真がいってかえってきた』『静岡詩』がある。
■佐内正史コメント
「復刊 生きている」
写真は生きている
わからないで花が咲いて表紙になった
一枚目のスカイラインの予感が俺の車になった
印刷立ち会い中、生きているの淀みがなくなっていくのがわかった
晴れて完成に近づいていく
もう少ししたら完成するだろう
道草を楽しんでいる
“復刊生きている”は、まだ途中だ!
■書誌情報
『復刊 生きている』
著者:佐内正史
アートディレクション:町口覚
判型:315×280mm
総頁:64頁
製本:並製
価格:5,280円(税込)
発売日:2026年9月中旬
出版社:青幻舎
©Masafumi Sanai
Photograph by Mitsue Yamamoto