【漫画】アクスタで推し活、意味ある? 他人の“尊み”に気づける『アクスタってただの板じゃないですか』
『アクスタってただの板じゃないですか』。そんなタイトルの漫画作品がSNS上に投稿されている。作中で描かれるのは、タイトルの通り「アクリルスタンド(アクスタ)」に関する疑問。アニメのキャラクターや俳優のアクスタはなぜ流行しているのか。アクスタと一緒に出掛け、アクスタとともに写真を撮ることの魅力は何なのかーー。
そんな疑問を感じた作者・秋野あさづけさん(@raimasue)は本作を描くにあたり、実際にアクスタを手に入れ一緒に写真を撮るなどしてみたという。試みのなかで得た気づき、作品に込めた思いなど、話を聞いた。(あんどうまこと)
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ーー本作を創作したきっかけを教えてください。
秋野あさづけ(以下、秋野):私は舞台をよく見に行くのですが、そこではアクスタなど、いわゆる推し活グッズを持ってきている人を見かけるんです。はたから見ていて「みんな、どういう気持ちでやってるのかな」と気になったことが本作を描いたきっかけです。
ーーあさづけさん自身は、もともとアクスタ等のグッズにはあまり関心がなかったのでしょうか。
秋野:アクスタ自体はすごく可愛らしいと思いますが、実際に自分が手に入れたらどうすればいいのか分からなくて。でも流行しているのには何か理由があるんだろうと思い、実際にアクスタを購入して、写真を撮ってみました。すると想像以上に楽しかったんです。
アクスタを持っていると、作品でも描いたように「心強いヒーローが側にいてくれてる」と感じる、1人なのに1人じゃない感じがするというのが不思議な感覚で。こどもの頃にお人形を連れて遊びに行く気持ちに近いというか、「誰かと一緒にいる気分になれて楽しい」ということに気づきました。
ーー作中の「(写真を撮る際に)アクスタにピントを合わせると奥の被写体がボヤけちゃう」という描写も、実際にやってみたからこそ描けるワンシーンだと思いました。
秋野:SNSなどに投稿されているアクスタと一緒に撮った写真って、本当に綺麗に写っていると思いましたね。実際にやってみて「撮っている人はすごくこだわってやってるんだな」と気づくことができました。
ーー本作を象徴するものとして「知ろうとすることは案外悪いもんじゃない」という台詞があるかと思います。
秋野:推し活に限った話ではないと思いますが、自分が世間におけるマイノリティ側になっちゃうことって誰にでもあると思うんです。今はSNSなどでマイノリティであることが可視化されやすく、ときに自分と違う考えの人に対して苛立ってしまうことも多い時代なのかなという気がして。
ただ自分の持ち合わせていない考えを1度は知り、そこから自分のあり方を模索するほうが楽しいんじゃないのかなと。そんな思いを本作で描きたかったです。
ーー本作を描くなかで印象に残っているシーンは?
秋野:台詞の言い回しで悩んだのはさきほどの「知ろうとすることは案外悪いもんじゃない」と話すシーンです。言いたいこと自体は決まっているものの、推し活をしている人側にも、推し活をしていない人側にも傾いては駄目だと思い、どのような台詞にするか悩みました。
ーー知ろうとすることを「良いことだよ」ではなく「悪いもんじゃない」と表現した理由は?
秋野:正直、なにかを知ろうとすることは良いことばかりではないと思うんです。でも知ろうとすることでなにかを得ることは絶対にありますし、完全に理解することはできなくても、知ろうとすることは誰にでもできる。「なにかを知ろうとする人は素敵だな」という気持ちを込めて、このシーンを描いています。
ーー今後の目標を教えてください。
秋野:本作はシリーズ作品として、SNS上で発表を続けていこうかなと考えています。物語の構想はあるので、また近いうちに続きを描きたいですね。また本作以外にも作品を発表できると思うので、今後も作品を読んでもらえたらうれしいです。