『14才の母』から『未来のムスコ』へ 志田未来、約20年ぶり母親役に注目!
2026年1月期ドラマの注目作の一つとなっているのが、TBS系火曜ドラマ『未来のムスコ』だ。主演の志田未来が約20年ぶりに主演で「母」という役に真正面から向き合うことで、大きな話題を呼んでいる。
この火曜ドラマ枠は、前クールに放送された『じゃあ、あんたが作ってみろ』が大ヒット。主人公たちが“時代遅れの価値観”をアップデートさせて「自分らしく生きること」を模索する姿が描かれ、SNSを中心に大きな共感と議論を巻き起こした。その後番組として放送される本作にも関心が寄せられている。
原作は、阿相クミコ(作)と黒麦はぢめ(画)によるコミック『未来のムスコ〜恋人いない歴10年の私に、息子が降ってきた!』(集英社)。小さな劇団で下積み生活も早10年、定職なし、貯金なし、恋人なしの崖っぷちアラサー女性・汐川未来がある日突然、雷鳴と共に未来からタイムスリップしてきた10歳の息子・颯太(天野優)と出会う。颯太が「未来と自分の父親である“まーくん”を仲直りさせるため」2036年からタイムスリップしてきたという設定は『ドラえもん』テイストでもある。
原作者の阿相は、2011年に世帯平均視聴率15.8%を記録した大ヒットドラマ『マルモのおきて』(フジテレビ系)で脚本を務めている。この作品は、亡くなった親友の子供たちを引き取った独身男性と双子の子供たちが織りなす「血の繋がりのない家族」の物語だったが、現代の多様な家族観を温かく表現しており、そのテーマ性は『未来のムスコ』にも通じるものがありそうだ。
原作は「うまくいかない恋愛」や「ままならない日常」という中途半端な状況の未来が、颯太に出ったことで自分を見直し、成長していく過程が読者の共感を呼んだが、「日常の延長にあるファンタジー」という世界観が志田の演技でどのように深められ、「家族」の新たなカタチがどう提示されるのかが最大の見所だろう。
志田といえば、多くの人が思い出すのが2006年に放送された社会派ドラマ『14才の母』(日本テレビ系)ではないだろうか。当時13歳の志田が、妊娠・出産という困難に直面する中学2年生を体当たりで演じた姿は衝撃的だった。また、2016年のドラマ『はじめまして、愛しています。』(テレビ朝日系)でも志田は母親役を演じているが、この時も精神を病んだ女性という難役だった。共通していたのは“望まない妊娠”により親として生きる選択を突き付けられるという緊張感のある重たい空気である。しかし、今作で志田が演じる未来は、パワーがあって太陽のような明るさもあるが、心の中では将来のことや恋愛に悩みを抱え、葛藤する等身大の女性で、これまでのキャリアで培ってきた演技力により、“志田の母親役=シリアス”のイメージが刷新されるはずだ。
志田が『14才の母』から20年後の未来に、自分と同じ名前の役名で再び「母」を演じるのは運命だったのかもしれない。