【漫画】ソシャゲの不人気キャラは退場で当然? 運営側も推したくなる『ソシャゲを作るお仕事』
「そんなキャラいたっけ?」と思った経験はあるだろうか。たとえ見向きもされなかったキャラでも、試行錯誤の果てに誰かの愛情を受けて生まれた存在なのだろう。
大鷹シンさん(@gomano_)がXに投稿した『ソシャゲを作るお仕事』は、ソーシャルゲームの人気のないキャラを輝かせるため、運営側の社員が奮闘する様子を描いた読切漫画だ。ソーシャルゲームの裏側にも思いを馳せたくなる、「週刊ヤングジャンプ」(集英社)で新人漫画大賞佳作に輝いた本作を手掛けた大鷹さんに、制作背景などの話を聞いた。(望月悠木)
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10年ほどプレイしたソシャゲがベース
――なぜ『ソシャゲを作るお仕事』を制作したのですか?
大鷹:漫画家を目指すにあたり、「まずは新人賞に出すために持ち込みをしよう」と思って描き始めたのが本作です。「ひとまず好きなものを描こう!」と考え、10年ほど熱心にプレイしていたソーシャルゲームが思い浮かび、ソシャゲにまつわる物語にすることを決めました。
――好きだったソシャゲがベースになっているのですね。
大鷹:そうです。そのソシャゲには“総選挙”という、ユーザー投票型でキャラのランキングが決まるイベントがあり、そこで私の好きなキャラクターに上位に入賞してほしくて躍起になっていた経験がベースになっています。私の好きな子はランキング上位になったことがないのですが、それでも「運営側に一人ひとりが大切に思われている」と信じることで、そのゲームのプレイヤーとしての自分を保っていた部分があり、「そうだったらいいな」という思いから、世界観などを組み立てていきました。
――まさにキャラ思いの運営側を描いた内容でしたよね。
大鷹:はい。「そうだったらいいな」を込めて制作したので、明るい終わりになるストーリーにしました。はるのが劇的に売れたわけではないのですが、誰かが頑張ったことで誰かが喜び、少し世界が明るく見える。読み終わった人にも、そんな気持ちになってもらえるような漫画を目指しました。また、後半に「やった〜」という見開きのページがあるのですが、セリフだとちょっとしたシーンになってしまいます。そこで、晴れやかな気持ちを表現するため、思い切って見開きにし、そこを起点に他の部分を構成しました。
――運営側の視点として描く際に、注意したことなどはありましたか?
大鷹:私はいちユーザーなので、実情はまったくわかりません。ゲーム開発会社の業務内容の紹介ページを見るなどして、「ソーシャルゲームの運営という仕事に真摯でいたいな」と思いながら制作しました。
主人公のビジュアルへの思い
――主人公の佐々木りゅみは八重歯や重めの瞼など、特徴的なパーツが多かったです。佐々木のビジュアルはどう決めたのですか?
大鷹:「熱意を反映して、ちょっと派手な見た目にしよう」と思い、髪型や顔つきで個性を出そうとした結果、このビジュアルになりました。また、本作は“二次元キャラ”が出てくる作品のため、二次元キャラとの差別化も狙いとしてあります。ただ、「佐々木の見た目はとても可愛く描けた」と思っていたのですが、講評でとある編集さんに「登場人物に美男美女がいないのがいいね」と言われて、「あれ?」となりました。
――「増えすぎたキャラクターは~」というセリフのあるページでは、多くのアイドルが描かれていました。顔を描き分ける必要があり、かなり描くのが大変だったページに思えますが。
大鷹:性格や簡単なプロフィールをたくさん作り、そこから見た目を想像してデザインを決めました。楽しく描けた反面、キャラクターデザインの幅を出すのが難しかったですね。
――今後はどのように漫画制作を進めていきたいですか?
大鷹:私がネーム原作を担当し、作画のホマレ先生と一緒に制作している、「週刊少年マガジン」(講談社)で連載中の『アイドラトリィ』を盛り上げていきたいです! 単行本も発売中ですので、よろしくお願いします!
■『アイドラトリィ』1話:https://s.magazinepocket.com/ldg?t=2901&d=0
■『ソシャゲを作るお仕事』:https://tonarinoyj.jp/episode/4855956445044072593