『チェンソーマン レゼ篇』レゼの心を写した劇場版新ビジュアル公開 ティザービジュアルとの対比が切ない
※本稿には劇場版『チェンソーマン レゼ篇』のネタバレを含みます。未鑑賞の方はご注意ください。
公開から18日間で観客動員数296万人、興行収入45億円を突破している劇場版『チェンソーマン レゼ篇』。10月4日に発表された新たな作品ビジュアルも話題を呼んでいる。
このたび発表されたビジュアルは、本作の主要人物・レゼが波打ち際で横たわるイラスト。レゼの美しさや儚さはもちろん、劇場版の公開決定とともに発表されたビジュアルと比較してレゼの向き、タイトルロゴの色、背景などが対照的であることに注目が集まった。ビジュアルが発表されたXの投稿は30万いいねを記録するなど、大きな反響を呼んでいる。
画面の明暗から首元のチョーカーの有無まで、対照的な2つのビジュアルであるが、大きな違いの1つがレゼが手に持つ花。最初のビジュアルでレゼは白い花を手に持っていたが、今回のビジュアルでは赤い花を手にしている。白い花は本作の序盤、デンジがレゼにプレゼントしたものだ。一方の赤い花は本作の終盤、デンジのいるカフェへ足を運ぼうとしたレゼが手にしていたものである。
もちろんレゼがデンジに赤い花をプレゼントしようとしていたのか、真意は定かではない。ただ2つの花がそれぞれ、相手への思いを象徴していたならば、レゼの思いはデンジに知られることはなかったと解釈できる。現に今回のビジュアルには「誰も知らない、少女の心」というキャッチコピーが添えられている。
武器人間として、はたまたソ連の戦士としてのレゼ。1人の人間、自身の心情を明かすことのできなかった少女としてのレゼーー。デンジが知り得なかったレゼの一面が描かれた今回のビジュアルは、最初のビジュアルとのさまざまな対比によって、多くのファンの胸を焦がし、大きな反響を呼んだのかもしれない。
余談だが、最初のビジュアルでレゼは草花が身体に巻き付けられているものの、衣服を着用していなかった。ただ今回のビジュアルでは白く袖が破れたYシャツを着ている。戦闘時にデンジはレゼによって両腕を吹き飛ばされていたこと、戦闘を終えて2人で海を眺めるシーンでデンジは上半身裸であることを踏まえると、レゼの着ているYシャツはデンジが着ていたものであろう。
武器人間のレゼから少女としての一面を照らし出したのは、Yシャツを渡し、雨が降る都会の片隅で白い花をプレゼントしたデンジの明るさ、太陽のようなあたたかさであったことは間違いない。