秋元真夏が「本当の自分」をさらけ出した理由「ありのままの自分だから、もしダメでも仕方ない」
乃木坂46を卒業して約2年半。二代目キャプテンとしてグループをまとめながら、後輩にいじられるほどにグループ内外から“愛されキャラ”として親しまれてきた、秋元真夏。
現在は『ヒルナンデス!』水曜レギュラーをはじめ、バラエティ番組を中心に活躍している彼女が、個人として初の書籍となるフォトブック『淡淡(あわあわ)』(幻冬舎)を、8月20日に発売した。撮影は夏・秋・冬と季節をまたぎ、3度にわたって行われ、その時々の空気感を映すように、移ろう表情を捉えた写真が収録されている。さらに直筆のロケ日記や、乃木坂46加入前の思い出、活動中に抱いていた想い、家族との記憶などを綴った書き下ろしエッセイも収録されており、秋元の内面にも迫る一冊となっている。
今回のインタビューでは、本書の執筆の背景に加え、ファンへの想い、亡き祖父とのエピソードについて語ってもらった。
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「これまでの写真集とはまた違った良さが出すことができたんじゃないかな」
――本書に収録されている写真は「夏」「秋」「冬」と季節をまたいで撮影しています。これまでに3冊の写真集を出していますが、これほど時間をかけて撮影したことはなかったと思います。
秋元:そうですね。アイドル時代に出させていただいた写真集は、1週間くらいでバッと一気に撮影することが多かったのですが、今回は時間に追われず、ゆとりをもって撮影していました。
1年間という期間だけでも、その瞬間ごとに感じることは変わっていきますし、それによって表情もまた変化していく。そういった自分のなかでの変化が、写真やエッセイにも表れていて、これまでの写真集とはまた違った良さを出すことができたんじゃないかなと思います。
――本書の制作スタッフは、2年前に発売された卒業記念写真集『振り返れば、乃木坂』と同じチームで制作したとのことですが、久しぶりに撮影してみていかがでしたか?
秋元:私はもともと人見知りする性格なので、知っているスタッフさんと撮影できたことで安心感をもって臨むことができました。
石垣島や西表島、郡上や沖縄など訪れた地域の景色を、素で楽しんでいる表情を残すことができたのは、前回と同じスタッフの方々で制作できたということが私にとって大きかったですね。
ありのままに綴ったエッセイ
――収録されているエッセイは、全てご自身で執筆したとのこと。執筆することを提案されたときはどのように思いましたか。
秋元:正直に言えば、最初は「全部自分で書くのはできないな」と思っていて。内心ではインタビュー形式がいいなと思っていました(笑)。聞いてもらったことに私が答えて、それが最終的に文章になれば…と考えたのですが「それだとアイドル時代にやってもらってきたことだな」と思ったんです。
今回のフォトブックは、これまでに出していた写真集との違いを出したかったし、グループを卒業して一人になって感じたことを書かないと、本を出すことの意味が見出せない。だから「自分で書こう!」と決めたのですが…それでも書き始めるまでは「よいしょ!」って感じ(笑)。重い腰を上げて、なんとか書くことを決意しました。
――エッセイでは「本を読むのがあまり得意ではない」と綴っていましたが、文章が非常に巧みだと感じました。
秋元:そうおっしゃっていただけて嬉しいですし、安心しました(笑)。
――クスッと笑えるような章もあれば、エモーショナルな章もあって。執筆時にはどんなことを意識していたのでしょうか?
秋元:ざっくり書くことは前もって決めたのですが、いざ書こうとすると、どのテーマにおいても必ず二つの文章が頭に浮かんできて。ひとつは“自分を良く見せるバージョン”で、読んだ人に「秋元真夏ちゃん、良い子だね」と思ってもらえるような文章。もうひとつは、ありのままに自分のことを書いて、「出したくない部分」もさらけ出す文章。
正直に言えば、自分のことをあまりさらけ出したくないので、綺麗なことを書いた文章を出したかったのですが(笑)、私が読者ならそんな文章を読んだところできっと何も響かない。どうせ出すなら、出したくない部分だとしても「本当の自分」を書いてみようと思いました。
秋元:迷いはすごくありました。正直に言えば、今でも怖い(笑)。エッセイを書いた時からしばらく時間が空いた今、改めて読み返しても「この表現、変えとけばよかったかな?」と思うところもあったんです。でも、それはそれで「これがありのままの自分だから、もしダメでも仕方ない」と思っています。
――乃木坂46の一期生を思い返しても、メンバーがそれぞれの個性を発揮して、得意分野で活躍していました。秋元さんが卒業した後の乃木坂46を見ても、メンバーが「ありのまま」に個性を発揮していて、秋元さんの良さやキャプテンとして牽引していたことがDNAとしてグループに継承されているように感じます。
秋元:グループ在籍時で言えば、キャプテンになってからは後輩の話を聞くことが増えたのですが、この仕事をしていると、どうしてもマイナスの意見を聞いたり目にしたりすることもあって、気分が落ち込んでいる子を見ることが少なくありませんでした。
私はダンスや歌でかっこいい姿を見せることができなかったので、後輩には「近所のおねえちゃん」のように悩み相談を聞いてくれる存在でいたかった。だから落ち込んでいる子の話を聞けば「そのままでも、めちゃくちゃすごいから!」と、肯定するようにしていました。
でもそれは乃木坂のメンバーが肯定したくなるような子ばかりだったから、ということが大きいと思います。
祖父への想い「基本的にルーティンとかはないんですけど、一つだけあって」
――亡きお祖父様とのエピソードを綴られていた「沖縄」の章では、お祖父様から溺愛されていたことが伝わって、とても印象的でした。生前のお祖父様は、秋元さんが乃木坂46に加入していたことはご存知だったのでしょうか。
秋元:そうですね。私がグループに加入してから数年後に亡くなったので、活動している姿を少しではありますが、見てくれていました。
――秋元さんは、加入当初は学業のために活動を休止しました。本格的に活動に合流してからは「ぶりっこキャラ」「いじられキャラ」として注目されていきました。
秋元:私がいじられキャラとして見てもらえるようになった頃には、祖父は亡くなっていて。だから乃木坂46として自信を持ってアイドル活動ができている姿は、見せられなかったと思います。
――秋元さんのアイドル活動について、お祖父様はどのように思われていたのでしょうか。
秋元:祖父は「自分だけの孫であってほしい」と思うような人でしたから、芸能活動のことを良くは思っていなかったんじゃないかな、と思っています(笑)。だから私も、グループ活動について祖父と話すことはほとんどありませんでした。
でも、祖母や母づてで「テレビを見ていたよ」「応援しているよ」と聞いていました。
――エッセイには「他にも書ききれないほど思い出があるが、誰にも見せずに自分の胸にしまっておきたい」と綴られていました。その中からひとつ思い出を教えてください。
秋元:そうですね……。家族と祖父母でよく旅行に行っていたのですが、宿泊先の部屋には人数分のベッドがあったのに、私と祖父は「一緒に寝る!」と言って、狭いベッドの中で二人でこそこそおしゃべりしていたのを覚えています。そんな私たちを見て、母や祖母が「二人で何を話しているの~?」と聞くのですが、私たちは「ないしょ!」と返して(笑)。よく二人だけの世界でいましたね。
私も「おじいちゃんは私のもの!」と思っていたし、祖父も「真夏は俺のもの」と思っていて。何をするにしても二人でセットだから、家族もそんな私たちの様子にすっかり慣れていました。
――今になって、お祖父様に伝えたいことはありますか。
秋元:私を溺愛していた祖父だから、今でもずっと心配していると思うんです。だからこそ、そんな心配を吹き飛ばせるように、たくさんテレビに出て、元気な姿を見せたい。祖母は今も元気で、私の出演を見てくれているんです。だから、祖父にもどうにか伝わっていたらいいなと思います。
私、基本的にルーティンとかはないんですけど、ひとつだけずっと続けていることがあって。それが「毎朝おじいちゃんの写真に挨拶すること」。そうすることで、おじいちゃんに元気でいることが伝わっていたらなと思います。
――秋元さんは「愛情を与えられる人」という印象があったのですが、エッセイを読んで周囲から多くの愛を受けて育ったんだと感じました。
秋元:私も社会人になって年下の子と接したり、経験を重ねたりすることで「あの頃にやってもらっていたことも愛情だったんだな」「すごく時間を割いていただいていたな」と気づくことが増えました。
振り返ると「当たり前」と思っていたこともあって、調子に乗っていたなと反省しているんですけど(笑)。そのことに感謝できるようになったのは、大人になって、また乃木坂46を卒業して人生を振り返る機会ができて、改めて気づくことができたと思っています。
ファンへの想い「綴った言葉以上に、心と心で通じあえるものが伝わればいいな」
――改めて本書は秋元さんの内面を知ることができる一冊となっていますが、どのような読者を想定して文章を綴ったのでしょうか?
秋元:これまで出した写真集は、応援してくださるファンの方が手にとってくださったと思っていて。今回発売する本は、グループを離れて「秋元真夏」という個人として興味を持ってくださった方が手にとってくださるんじゃないかと想定して、アイドルになった経緯や当時の苦悩、育ってきた環境、そして私がどんな人間なのかということを書いていました。
それで私のことを知って、興味を持ってもらえたら嬉しいなと思っていました。
秋元:そうですね。本を多くの人に受け取ってもらいたい気持ちはもちろんありますが、こういった本だからこそ改めてファンの方への感謝を伝えられる場でもあると思っていて。
新しく興味を持ってくださる方にも向けていますが、やはりこれまで支えてくれたファンの方にも私のことをもっと知ってほしいし、自分の気持ちを受け取って欲しい。ファンの方への思いは自分を語る上でも欠かせなかったし、絶対に書きたいと思っていました。
意外と、ファンの方へ気持ちを直接しっかり伝える機会が少なくて。だからこそ文章を通して届けられたらーー綴った言葉以上に、心と心で通じあえるものが伝わればいいなと願って、握手会に通ってくれたファンの方々の顔を思いながら、言葉をかき集めながら書いていました。
■書誌情報
秋元真夏フォトブック『淡淡(あわあわ)』
価格:2,970円(本体2,700円+税)
発売日:2025年8月20日
出版社:幻冬舎
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