『ガンダム』マニアの生態を完全再現? 『こち亀』 麗子がロボアニメの知識を叩き込まれる名エピソードとは
解像度が高すぎる「オタクの生態」描写
さらに両津は麗子がニワカ扱いされないよう、「ガムダン」マニア同士の会話の注意点を事細かに説明するのだが、その内容が迫真のリアリティだった。
監督の名前をフルネームで言うと初心者扱いされるため「白さんには参るね」などと言及すること、「グウで殴られた事ないのに」といった誰もが知っている名ゼリフや名シーンは決して語らず、爆発シーンに注目すること……。マニアの生態に精通していなければ描けない描写だ。
かくして「ガムダン」の知識を徹底的に叩き込まれた麗子は、ジュニア社長たちのハートを射止め、“姫”のような扱いを受けるようになるのだった。
なお『こち亀』では同エピソードにかぎらず、色々なジャンルのマニアたちの生態をリアリティたっぷりに描いていたことでお馴染み。たとえば有名なものとしては、141巻「あこがれライダーの巻」が挙げられるだろう。
この話は『仮面ライダー』ならぬ「御面ライダー」をめぐって新葛飾署でひと騒動が巻き起こるという内容。冒頭では両津と本田が「御面ライダー」の超合金について語り合い、中川にその魅力を力説する場面があった。
両津は私物の超合金シリーズを次々と紹介するのだが、そのデザインにほとんど違いがなかったため、中川は「全部同じじゃないですか!?」と困惑。しかし両津は「これだからしろうとはダメだ!」と言い、違いを見分けるポイントを説明していく……。ネットミームとして大きな知名度を誇る場面だ。
『こち亀』に登場しているのはあくまで「ガムダン」だが、そこで描かれているマニアの生態はかなり正確。『ジークアクス』をきっかけに『ガンダム』シリーズのファンになりたくなった人にとっても、何らかの参考になるのではないだろうか。