【漫画】もしも引きこもり少女が不老不死になったら? 一風変わった友情を描く『河川敷に引きこもってる不老不死の話』


――本作をXに投稿していかがですか? 理由や手応えなどがあれば教えてください。

なまくらげ:自分としては珍しく友情テイストな作品だったので色々と未知数なところがあったのですが、思った以上に多くの方に見てもらえて驚きました。

――本作を描いたきっかけや着想について教えてください。

なまくらげ:前から「死にたくても死ねない子」という題材で描いてみたいなと思っていたものを具現化したのが本作です。

 不老不死は古今東西ほとんど描き尽くされているテーマではありますが、自分なりに何かしら表現してみたい想いがありましたので、今回ひとつ形にできてよかったです。

――ひきこもりだった50歳男性の肌がきれいだったという話があります。そう考えると、本作の外界との接触を断った170歳の不老不死の主人公というアイデアは妙にリアリティがあります。

なまくらげ:本作を描くにあたり「不老不死やったー!」でも「不老不死つらい……」でもない、その中間くらいのアンニュイな雰囲気にしようと決めていたこともあり、不老不死を持て余しすぎて川に引きこもる主人公が誕生しました。

 自分自身、予定がない休日などは家で惰眠をむさぼってしまうタイプの人間なので、そのあたりの性格を投影している節があります。

――もしご自分が不老不死になったらどうします?

なまくらげ:自分の意思で死ねないような本当の意味での不老不死ですと困ってしまいますね。地球があるうちはまだよいですが、それが滅んだ後に待っているのは永遠の虚無なので……。

 本作のように痛み等を感じないような都合の良い不老不死であれば、作中で津久井が述べていたように死なない身体を利用して色んなところを旅できればいいなと思います。

 生活費に関しても研究機関や報道機関あたりと上手くやればきっと問題ないでしょう。

――主人公は最終的に外界に出て行きますが、なまくらげさん自身も他者との交流の必要性を感じますか。

なまくらげ:人間は社会的動物であると言われるように、社会的欲求や承認欲求が少なからずある生物なので、他者との交流なしに満足に生きられる人はそう多くないのではないかと思います。

 私自身もひとりの時間が人一倍好きなタイプではあるのですが、そういった好みも友人や家族はじめ他者との交流があって初めて相対的に享受できる感覚であるように感じます。

――キャラデザインや作画でこだわっていることは何でしょう?

なまくらげ:キャラデザインや作画に関しては特にこだわりを持って描いているわけではなく、「自分がある程度気楽に描くために最低限伝わればいいな」というくらいの力の入れ方で描いています。

 その分コマ割りや台詞回しの方で読みやすくしようと工夫しているので、そこが上手くいっているといいですね。

――ちなみに作者名の由来は?

なまくらげ:作品などとは特に関係ないのですが、学生時代にくらげというあだ名で呼ばれていたのが元になっています。アカウントを作る時に、自堕落でなまくらな生活を送っていたので「なまくらくらげ」で「なまくらげ」です。

――最後に今後の展望を教えてください。

なまくらげ:今のようにコミティアに出るようになってかれこれ4年ほど経ちますが、今後も同じように自分のペースで創作活動を続けていこうと思っています。

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