【漫画】忌み嫌われる吸血鬼と病弱な少年……衝撃のラストが泣けるSNS漫画『夜に溶けるブルー』


ーー『夜に溶けるブルー』を制作したきっかけを教えてください。

熊谷ユカ:きっかけは、『月白のウォーリア』という短編作品をXにアップしたことでした。Xで『月白のウォーリア』を見たある出版社の編集者さんに、“商業連載に興味ないですか?”と声をかけていただいたんです。

 連載に向けて頑張るなかで、まずは新人賞に応募することになり、応募用に制作したのが『夜に溶けるブルー』でした。

ーー編集者さんの方から声をかけられるなんてすごいですね。

熊谷ユカ:私自身ものすごくびっくりしましたし、非常にありがたかったです…!

ーー本作品は、恐れられる吸血鬼と辛い事情を抱えた少年の絆が印象的でした。

熊谷ユカ:CLAMP先生が好きで、先生の作品のなかに「この世には偶然なんてないわ、あるのは必然だけ」というセリフがあるんです。

 作中でも言っているように、吸血鬼と人間には相性があります。適合する2人がそれぞれ事情を抱えていて、お互いを大切にできるような関係になれた。

 明確なギミックがあるわけではないですが、ルリとハルカの出会いも偶然であり必然だったんだと思います。

ーー作中では、漢字の“人間”とカタカナの“ニンゲン”が使い分けられていました。2つの違いは何ですか?

熊谷ユカ:最初はルリのなかで、“ニンゲン”は自分とはまったく異なる存在でした。でもハルカと関係を深めるなかで、“ニンゲン”と自分に本質的な違いはないんだとわかっていったんだと思います。

 ハルカを知り、ニンゲンを知り、最後は自分を含めた存在として印象が変わったことを表現するため、漢字の“人間”にしました。

ーー熊谷さん自身が気に入っているポイントは?

熊谷ユカ:ルリのキャラクターデザインは気に入っています。中世のヨーロッパっぽい街並みを描けたのも、楽しかったです。

 あとは本作を描くなかで、“出会った2人がどうしようもない事情によって最後はすれ違ってしまう”という設定が好きなんだなと気づいたのが、個人的にはよかったかなと思っています。

ーー漫画を描き始めたきっかけは?

熊谷ユカ:元々漫画は好きでよく読んでいたんですけど、20歳くらいのときに読んだ『進撃の巨人』に衝撃を受けたんです。“ここまですごいのは難しくても、私もすごい漫画を描いてみたい!”と思ったのがきっかけでした。

 イラストレーターとして活動していて、自分用に小説とかお話を考えるのも好きだったので、アイディアを集めて漫画を描こうと思ったんです。

ーー今後は、どのような漫画を描きたいですか?

 今は、連載を目指してファンタジー漫画の企画を考えています。あまり詳しくは言えないんですけど、主人公は天使です。ファンタジー漫画で、商業デビューできるように頑張ります!

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