【漫画】桜舞う卒業式、異端の生徒は教師に何を頼む? 生徒と先生の通じ合う距離感が心地良い『波長の合う人』
――本作をXに投稿した経緯について教えてください。
浅山わかび(以下、浅山):雑誌「少年サンデーS」に掲載された作品がwebで読めるようになったため、Xにも掲載しました。
――制作のきっかけは?
浅山:「異端」というテーマで8ページ漫画を描くことになったんです。そこで多くを語らなくとも何かを通じ合っている仲、つまり「波長の合う人」を描きたくなりました。
――物語にご自分の体験が反映されていたりするのですか?
浅山:そうですね。実際の体験を少し脚色し、テーマがわかりやすいようにしています。
――浅山さんにとって「異端」とはどんな人でしょう。
浅山:自分にとっての「異端な人」とは、まあ「普通じゃない人」だと思ってます。人は育った環境や嗜好、夢などで歪に形成されていて、大人になるにつれて周りと比較し「整えられるもの」でもあるのかなと。
その調整を外側だけ行っている「異端」が実は多いじゃないかな、と社会に出て感じてます。だから逆に「普通」とは何か、ということも考えたりしますね。
――「異端でありたい」という気持ちはありますか?
浅山:自分にはありません(笑)。よく漫画のキャラに異端を求められるのですが、それは作者が「普通」を理解している上で描いていると思うんです。
――言葉以上にその外堀の会話で理解しあう幕切れが印象的でしたが、これについては?
浅山:ふたりは本当に喋りたい言葉を言っているのだと捉えてます。冒頭の生徒たちが話している「卒業おめでとう」とか「頑張って」など、心から出てくる言葉はいいと思うんですよ。でも栗林君と篠田先生は「言うべきシチュエーションだから、お決まりのセリフを言う」というコピペの会話が嫌なんでしょうね。
だから「こいつに社交辞令はいいか……」という考えのもと、彼らのなかで言葉なく交わされている約束、それを指摘されずに成立させるのは波長が合った者同士だから可能なのではないかなと。
――作画でこだわっていることなどがあれば教えてください。
浅山:見やすい画面作りです。日々、学びです。
――昨年は『ラストカルテ-法獣医学者当麻健匠の記憶-』を終えて、どんな1年でしたか?
浅山:よく寝たと思います。しっかり休養を取って基礎から絵を勉強しました。
――2025年の展望を教えてください。
浅山:また漫画を描き続けられたらいいなと思います。