乃木坂46 与田祐希が語る、卒業前の想い「今の環境があったからこそ、私は自分らしくいられた」
ーー加入したばかりの頃の与田さんを見ていたファンにとって、与田さんが後輩に慕われている今の様子は感慨深いものがあります。
与田:ファンの方からもよく言われます。私が入った頃は、いわゆる「妹キャラ」みたいな立場だったし、後輩の四期生が加入してきた時も、まだその感じが抜けきれなくて、先輩らしいことをしてあげられなかったんです。それでも四期生はどんどん成長して頼もしくなっていって。自分が先輩らしい振る舞いができるようになったのは、つい最近、五期生が入ってからだったのかなと思います。
ーー先輩として後輩を支えることを意識し始めたのは、きっかけがあったのでしょうか。
与田:五期生の子たちは加入してすぐにセンターに抜擢されたり、単独ライブや主演舞台、冠番組など、加入してすぐに前に出ることが多かったので、少しでも寄り添いたいと思っていました。私自身、先輩方にそうしてもらって救われた経験があったので、同じように後輩たちに寄り添いたい、とは思っていました。グループに加入する前は後輩にも舐められるキャラだったんです(笑)。
部活ではテニス部に所属していて、同級生は先輩らしく「球拾えー!」「挨拶、声小さいぞー!」と声を出していたんですけど、私は声が小さくて、むしろ同級生から怒られてました。今でも檄(げき)を飛ばすようなタイプではないから、寄り添うことができたらいいな、と思って後輩と接しています。
ーーInstagramやブログ等で与田さんが撮影された写真を見ても、後輩メンバーへの愛情を感じます。
与田:ファンの方も写真を褒めてくれるんですけど、私は撮影の技術なんて全く分からなくて。SNSに投稿して褒められるのは、メンバーのみんなが可愛いからです(笑)。
ーーファンは与田さんから多くのものを受け取ったと思うのですが、与田さんはご自身がグループに残せたものは何だと思いますか?
与田:…なんだろう?(隣のマネージャーさんに確認して)なんですか?
自分では残せたかどうかは分からないけど、グループ全員が居心地よくいられる環境を大切にしたい、とはずっと思っていました。乃木坂って仲の良さが魅力の一つだと思っていて、期の垣根を越えて、みんなが仲良く楽しく過ごせることができたらそれは素敵なことだな、と。
そんな想いは抱えつつも、実際に私が後輩と上手く接することができたのか自分では分からなかったんですけど、前に(筒井)あやめが「与田さんの気持ちはちゃんと後輩にも伝わっていますよ」と言ってくれたことがあって。先輩らしい行動ができたこともあれば、行動に移せなかった部分もあるけど、そう言ってもらえたのは「ああ、伝わっていたんだ」と思えて、本当に嬉しかったです。
祖母からのメッセージ「安心して涙がこぼれました」
与田:溢れ出ちゃっていたんです、ぶっちゃけると(笑)。卒業を控えながら活動をしていると、去年くらいから「これが最後か」と感じる瞬間が多くありました。メンバーにはこれからも会えるし、個人的な関係は続くんですけど、スタッフさんや現場でお世話になってきた方々の中には、もう二度と会えない人もたくさんいると思うんです。ライブや全国ツアー、グッズやアプリの撮影など、いろんなお仕事で「今日が最後だね」と言われることが増えてきて、そのたびに寂しさを感じていました。
ライブでもひとつひとつの公演を噛みしめていると、その気持ちがファンの方に伝わってしまって(笑)。特に昨年の神宮公演でのスピーチでは気持ちが溢れてしまって…。
ーー話題になっていましたよね。
与田:話題になってしまったのは想定外でした(笑)。でもファンの方々とはずっと前から握手会などのお話しできるイベントで「卒業する時、先に知りたい?ギリギリまで知りたくない?」っていう会話をよくしていたんです。ファンの方々でも人によって色んな反応があったんですけど、「早く知りたい」と言ってくれる人が多くて。だから気持ちが溢れちゃって卒業が近づいてることを気付かれてしまったのも「(ファンのみんなも)言ってほしいって言ってたし!」と思って(笑)。それはそれでいいのかなって。
ーー写真集のインタビューにも「3年前から卒業を意識し始めた」と書いていましたね。
与田:実はメンバーの写真を撮り始めたのも、その頃なんです。思い出に残せるものが欲しくて、カメラを買ってみんなを撮り始めました。