『キミに恋する三姉妹』なぜ“最強ラブコメ”なのか? 作者・sakuに聞く、読者の「楽しい」に行き着く方法

読者の「楽しい」に行き着くために

ーー親密になりすぎても、距離が離れすぎても、樹がたどる“ルート”が偏ってしまいそうで、天音をめぐる描写は難しそうです。本作は天音をめぐるミステリーもありますし、もちろんドキッとするラブコメ的なエピソードは楽しいですし、一方で「寂しさ」など人が抱える普遍的な問題を考えさせられる回もあって、読み応えがあります。お楽しみのエピソードと、物語を推進するフックになるような骨太なエピソードは、どんなバランスで考えていますか。

saku:第一に考えているのは、読者さんが読んでいて楽しいなと思う展開なのですが、やっぱり物語には動いてほしいので、「楽しい」に行き着くために逆算してエピソードを考えることが多いですね。バランスというより、描きたいシーンがあって、そこにいかに自然に繋げるか、という感覚が強いかもしれません。ラッキーなシーンも、そこに至った過程に納得感があると、より気持ちを乗せて楽しめると思うんです。

ーー物語の序盤から「ラッキースケベ」を楽しみに読むというより、ラブコメとして物語を楽しむ作品だと感じられるのは、やはりそこに至るドラマを丁寧に考えているからなんですね。sakuさんはもっと刺激的な作品も描かれていますが、よりインパクトのある描写も入れたい、という気持ちはあったりしますか?

saku:物語が進んできたら、あってもいいのかなと思っています。やっぱり無理やりの展開にならないように、きちんと関係性が深まった上で、読んでいて楽しいシーンが入れられたらなって。

ーーちなみに、sakuさんが影響を受けた作品はありますか?

saku:最初に漫画を描き始めたきっかけは『ポケットモンスターSPECIAL』という作品ですね。そのあと『鋼の錬金術師』にハマって、実際に漫画家を目指すきっかけになったのは『クズの本懐』でした。また岡本倫先生原作、横槍メンゴ先生作画の『君は淫らな僕の女王』も読んで、「自分もこんな漫画を描いてみたい」と思い、そこから本格的に描き始めました。

ーー『キミに恋する三姉妹』を楽しみにしているファンに、今後のヒントを教えてもらえますか。

saku:最新の展開では新キャラクターも活躍していて、それによってこれまで描けなかった樹と天音のより個人的な考え方や行動が生まれていきますし、そこで詩音や萌音との関係性もまた変わってくると思いますので、ぜひ楽しみにしていただきたいです。

ーーこれから『キミに恋する三姉妹』を読み始める方にもメッセージをお願いします。

saku:連載を始めてから、物語の中にドラマがあるとおっしゃっていただけることが嬉しくて。エッチな展開を楽しみにしつつ、人間関係のドラマを楽しんでいただけたら嬉しいです!

▪️『キミに恋する三姉妹』(チャンピオンクロス)
https://championcross.jp/series/7e267b346bd02

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