『HUNTER×HUNTER』週刊ペースでの掲載はいつまで? 「410話完成」の報告で考える今後の展開とファン心理
「週刊少年ジャンプ」で『HUNTER×HUNTER』を連載中の漫画家・冨樫義博氏が11月16日、自身のXで同作の第410話の完成を報告した。18日発売の最新号に掲載されているのは407話で、これで3週先までの原稿が仕上がったことになる。
長期間の休載を経て、10月7日発売号から7週連続で掲載されている『HUNTER×HUNTER』だが、2022年12月26日にはジャンプ編集部が「今後は週刊連載ではない掲載形態で皆様にお届けすることになりました」と伝えていた。現在も公式に「連載再開」とは謳われておらず、つまり、現在の週刊ペースでの掲載はどこかで終わり、新しい「掲載形態」に移行することが決定しているのだ。
ジャンプ編集部が持病と向き合いながら制作を続ける冨樫氏と相談した結果の「週刊連載終了」であり、このまま走れるところまで走る、ということはありえない。「何話分まで週刊ペースで掲載、その後、新しいペースで連載」という話はすでになされているはずで、ファンが思い起こすのは、2014年以降定番化していた「10話分掲載→長期休載→単行本発売と同時に連載再開」というサイクルだ。今回も単行本1冊分となる10話分の掲載を目処に区切りを迎える可能性は低くなさそうで、「No.410、完成。」という冨樫氏のシンプルなポストに、また『HUNTER×HUNTER』を読めない日々を思い浮かべた読者も少なくないだろう。
今後『HUNTER×HUNTER』の連載が一定期間ごとの「短期集中掲載」になるのか、隔週や月刊ペースの安定的な連載になるのかはまだわからない。しかし、何も情報がないまま休載が続いていた時期と現在で明確に違うのは、冨樫氏自身がXを活用し、高頻度で制作状況を伝えてくれていることだ。10月29日には424話の「人物ペン入れ」を開始したことが伝えられており、もし410話の掲載で再び休載期間に入ったとしても、ファンは比較的心穏やかに過ごすことができるだろう。
ちなみに冨樫氏は以前、「原稿作成のおおまかな流れ」についてもポスト。「アナログで人物ペン入れ→アナログで背景→デジタルで背景・効果・装飾→プリントアウト原稿に加筆」と解説しており、アナログとデジタルを行き来しながら、最終的に冨樫氏の加筆でフィニッシュ、となるようだ。「いま424話に着手しているなら、まだ週刊ペースでの掲載が続くのでは」と考えるのは早計で、例えばすでに掲載済みの405話は5月7日に「ペン入れ完了」のポストがあり、「完成」の報告は9月24日だった。これは週刊連載の平均的なペースではないと考えられるが、真っ白な原稿用紙から始まり、ネームの作成から原稿の完成までを考えると、途方もない仕事だと思い知らされる。
いずれにしても、『HUNTER×HUNTER』の擬似的な週刊連載は少なくともあと3週は続くと考えていいだろう。410話掲載号の「週刊少年ジャンプ」で何らかの発表があるのか、心して待ちたい。