【漫画】恋愛のハッピーエンドは「両想いになって結ばれる」だけじゃない? Xで読める切なくも美しいBL漫画

ふとした時の切なさ、でも愛情も感じられる表情

――今回『カタオモイハッピーエンド』を制作した理由は?

真木:「読み切り作品を増やそう」「ページ数がどうしても多過ぎるのをなんとかしたい」と思っており、読み切りで40ページ以内を目標にしてプロットを練りました。読み切りを考えるのは苦手なんですが、今回のお話は今までで一番スムーズに決まって驚いています。

――なぜ「好き」になることに悩む先輩と一途に想い続ける後輩のBL物語にしたのですか?

真木:「片想いだけどハッピーエンドなBLを描こう!」というところが出発点でした。そこに普段から自分が思っていることや、「こんな感じのキャラクターを描きたいな」という要素を乗せていった感じです。

——中学校や高校でも成立したストーリーに思えましたが、大学を舞台に選んでいましたね。

真木:あくまで私個人の考えなのですが、“自分が恋をしない人間である”ということに気付くまで、とても時間がかかると思います。加えて、現在はわかりませんが、私の中高生時代では学校でそういう人もいることを教わる機会はありませんでした。そこで、「あさひが“自分は恋愛できない”ということを自覚するには、大学生以上だったほうがリアルかな」と考え、大学を舞台にしました。

——対照的な性格をしている2人の表情が記憶に残る作品でしたね。

真木:あさひに関しては、「私の好みを盛り込もう」「志木と私がグッとくるような表情を描こう」と奮闘しました。一方、志木は叶わぬ恋をしているわけなので、“ふとした時の切なさ、でも愛情も感じられる表情”を目指しました。2つの感情が同居している表情が大好きなので、描いていて楽しかったです!

——BL作品はボディタッチが多いイメージもありますが、本作ではある程度の距離感を保ちながら2人の関係性が描かれていました。

真木:「プラトニックな物語が好きだから」ということが一番の理由ではありますが、そもそも「恋愛関係の2人ではないから」ということが大きいからです。見せたいのはあくまで“恋人の2人”ではなく“心地よい距離感の2人”なので、「今回はそういった要素を必要以上に盛り込まなくてもいいかな」と思いました。

——岡元を想い続ける志木の心情を思うと切なさを覚えつつも、ホッコリさせられました。

真木:「片想いのままの現状は変わってないけど、後半にかけて“諦め”から“希望”に変化していく様子を表情で伝えられたらいいな」と思って志木を描きました。読み終わった後、最後の志木を見て、読者さんが幸せな気分になれるように意識しています。「愛があるからこそ気持ちを伝えない」という表現が大好きなので、「両想いになるだけがハッピーエンドではない!」ということが伝われば嬉しいです。

――今後の漫画制作における予定などあれば教えてください!

真木:今はまだお伝えできませんが、いつかまた違った形で漫画を見ていただける時が来ると思います。楽しみに待っていてもらえると嬉しいです!

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