【漫画】ゲームを作ってくれる小学校の先生、プロにスカウトされた反応は? インディーゲーム好きに刺さるSNS漫画
ーー本作を創作したきっかけを教えてください。
てつなつ:本作は「コミティア(一次創作物の即売会)」で出展するために描こうと思った作品です。インディーゲームに興味があり、3年程前にも商業的なゲーム制作を題材とした作品を描いたことがありました。
近年は商業的なゲームだけでなくインディーズゲームにも注目が集まり、界隈の発展とともにその雰囲気も変わってきていると感じています。もちろん、それはうれしいことなのですが、もっと趣味的で自己表現の色のつよいゲームの雰囲気を題材にした作品を描きたいと思い、趣味でゲームをつくっているお話を描きました。
ーー商業的な活動ではなく、同人活動としての創作の魅力とは?
てつなつ:商業だと「成功しなければいけない」という前提があると思います。しかし同人活動は自分が作りたいものを作って、完成した作品を世に出して、その作品が受け手にウケたら嬉しいし、ウケなかったら「ウケなかったんだな」で終わることができます。その気楽さがあるからこそ、自分のやりたいことを作品にすべて詰め込められる楽しさが同人活動にはあると思います。
ーー印象に残っているシーンは?
てつなつ:特別、印象に残っているシーンはないのですが、強いて言えばこどもを描いたシーンが印象に残っています。
デフォルメが効いた画風だと、人物の大きさを縮小するだけではこどもにならないと思います。こどもの頃の自分だったら、楽しいときにはどんな振る舞いをするかーー。そんなことを考えながらこどもたちを描きました。
また、たとえば「先生が気に食わない」といった思いもこどもが抱くこともあると思いますが、そのようなリアルな部分はあえて描かず、楽しそうな雰囲気を強調して描くことも意識していました。
ーー無邪気で楽しそうなこどもたちはもちろん、表情豊かな木島先生の姿が印象に残っています。
てつなつ:木島先生にもこどもたちのような気持ちがありつつ、大人なのでちゃんと先生としての役割を果たそうとするーー。そんな内面はこどもたちと対照的だと思います。
ーーゲームクリエイターが来ることを木島先生へのサプライズとして知らされた際に「ひとが来るならちゃんと周知してください!」と話す木島先生は、大人としての一面が強調されたワンシーンだと感じました。
てつなつ:このシーンはギャグに近い一幕ですが、木島先生ならちゃんと「駄目ですよ」と言ってから「嬉しいです」と反応するだろうなと思いながら描きました。
ーー教室でこどもたちがゲームをしている傍ら、こどもたちを見守りながら教卓で仕事をする木島先生の姿が印象に残っています。
てつなつ:こどもの頃の自分だったら、大人がこどもを見守っている視点に気づいたり、その光景を描けなかったと思います。
ーー漫画を描きはじめたきっかけを教えてください。
てつなつ:小学校のときから漫画が好きで、大人になってからも読み続けていました。絵を描くことも好きだったので漫画を描いてみたいと思っていたのですが、上手に表現することができずーー。ただ20代後半頃にSNS上で同人ゲームのコミュニティに入ることとなり、多くの人が創作をする姿を見て自分もやってみたいと思うようになりました。
それから二次創作の漫画作品をイベントで出展するようになり、オリジナルの作品をつくりはじめてからは「コミティア」にも参加するようになりました。今も拙さを感じることはありますが、描いていくうちに少し上手になったり「次はもっとこうしたいな」という気持ちが強くなっていくなか、今では漫画を描くことが人生の中心になっています。
ーー漫画を描いていて楽しい、うれしいと感じる瞬間は?
てつなつ:描いている最中も楽しいですし、自分が漫画を描いていることで相手からアプローチをもらえたりなど、漫画を通じて人間関係ができていくことにも楽しさを感じます。
中学生のときにとても好きな作家さんがいたのですが、自分が参加したイベントにその作家さんが漫画を買いに来てくれたことがありました。そのときはとてもうれしかったです。
ーー今後の目標を教えてください。
てつなつ:もっと漫画を描くことが上手になって、よりたくさんの人に「面白い」と思ってもらえる漫画を描けるようになりたいです。また、これまで同人活動だけでなく、商業活動として漫画を描いたこともありました。自分は木島先生のように割り切れないので、趣味としてだけでなく、お金になる漫画も描けるようになりたいです。