『呪術廻戦』意味深な「指」の描写は何を意味する? ここにきて高まる“釘崎復活”への期待

(c)芥見下々/集英社

※本稿は『呪術廻戦』最新話までの内容を含みます。ネタバレにご注意ください。

 完結まで残すところあと5話となった『週刊少年ジャンプ』(集英社)連載の人気マンガ『呪術廻戦』。物語のボルテージはまさに最高潮を迎えているところで、読者たちによる考察も盛り上がっている。とくに注目を集めているのが、「指」をめぐる謎めいた描写の存在だ。

  8月19日発売の『週刊少年ジャンプ』38号に掲載された第266話「人外魔境新宿決戦(37)」では、主人公・虎杖悠仁と“呪いの王”両面宿儺による戦いが描かれた。そのラストページで飛び出したのが、謎めいた建物の深部に縛り付けられた「指」の描写。何ら説明は記されていないものの、見た目から察するに、宿儺の指のうちの1本であり、これまで行方不明とされていた「最後の1本」にあたるものだと思われる。

  実は新宿決戦では、すでに「最後の1本」についての言及があった。乙骨憂太が領域展開を行った際、宿儺の術式である「御廚子」を使用したのだが、能力をコピーするために宿儺の指をリカに取り込ませたことを匂わせていたのだ。だが、ここで乙骨は「最後の1本」がまだ見つかっていないと発言しただけで、コピー術式のために使ったとは明言していなかった。今振り返ると、この言葉は高度なブラフだったのかもしれない。

  なぜそう言えるのか。その根拠は、最新話で描かれた“虎杖の左手”にある。これまでは特殊な装備に覆われていて見えなかったが、虎杖の左手は薬指と小指が欠けていた。小指の方は、宿儺が虎杖から伏黒恵の肉体へと受肉先を変えた際に欠損していたが、薬指については一切描写がない。おそらくはこれこそ乙骨がコピー術式のために“喰った”指なのではないだろうか。というのも虎杖の肉体には、宿儺の術式が刻み込まれているため、「御廚子」をコピーするための媒体として使えそうだからだ。

  だとすると今回意味深な形で登場した指は、まだ何のためにも使用されていない“余り”ということになる。順当に考えると、やはりこちらの指こそが本当の「最後の1本」だろう。

  ここからは推測になるが、呪術高専サイドは確実に宿儺を追い詰められるタイミングまで、この指を温存していたのではないだろうか。そこで浮かび上がるのが、釘崎野薔薇が復活し、“切り札”として活躍するという可能性だ。

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