『攻殻機動隊』公安9課の中で誰が最強? 隊員のバックボーンとスキルを比較してみた

 2026年に新作アニメの放送が決定した名作『攻殻機動隊』。同シリーズの主人公・草薙素子が所属する「公安9課」は、内閣総理大臣直属の対テロ特殊部隊だ。様々な戦場を経験してきた強者揃いの9課。その構成員たちの戦闘スキルやバックボーンを比較したい。

圧倒的リーダー・草薙素子と「眠らない眼」を持つバトー

 最初に紹介したいのは、本作主人公の草薙素子と、その片腕のバトーだ。草薙とバトーは、公安9課の全メンバーの中で最も全身の義体化(サイボーグ化)率が高いため、ハードな戦闘においても圧倒的な強さを誇る。特に草薙は幼少期に航空事故に遭い、助かるために脳以外ほぼ全身をサイボーグ化したという経緯があり、そのエピソードは『攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG』内でも語られている。幼い頃から義体で生活し、数々の戦場で経験を積んだ、世界屈指の義体使いなのだ。

 公式によれば、バトーもほぼ全身を義体化したサイボーグとなっている。ただし、バトーは草薙ほど義体化率は高くないそう。また、彼は元陸軍の特殊部隊員で、レンジャー時代に義眼を埋め込んでおり、『眠らない眼を持つ男』として界隈では恐れられている。

 全身義体化し、公安9課の前までは軍隊に所属していたという設定なので、草薙とバトーがどちらもハードな戦場を多く経験した百戦錬磨のソルジャーであることは間違いないが、アニメ版ではバトーのピンチを草薙が救うというシーンが何度か登場しているので戦闘能力という観点では草薙素子に軍配が上がるのかもしれない。また、映画『イノセンス』では、草薙が姿を消した後のバトーの喪失感なども描かれており、バトルシーンでの実力差はもちろん、バトーにとって草薙がなくてはならない存在であることも描かれている。

公安9課屈指のスナイパー、サイトーは草薙と一騎打ちして入隊⁉︎

 9課のメンバーはそれぞれが超一流の戦闘スキルをもっているが、狙撃といえばサイトーだ。彼は元海兵隊の超一流のスナイパーで、様々なエピソード内でその狙撃の腕前を披露している。彼の身体は、狙撃に特化した義体となっており、特に左目は『タカの眼』という特殊な狙撃支援システムで、衛星とリンクしている。このタカの眼によって、気象条件などを瞬時にフィードバック、長距離弾道の狙撃が可能となっているのだ。

 高い戦闘スキルを持ち、キャラ的にも一匹狼気質の彼がなぜ9課に所属しているかというと、過去に草薙と対峙した際、サイトーが少佐の狙撃に失敗し、逆に殺されかけつつスカウトされたからだった。この際、草薙は敵だったサイトーに向かって、「貴様、いい腕をしているな。今から私の部下になれ」と言い放つ。草薙の圧倒的強さとカリスマ性に惚れたサイトーは草薙の部下に。そしてこの戦闘当時は生身だったが、ある理由から身体を義体化することになるのだ。

 草薙と対峙して無事生き残ったサイトー。そして、一騎打ちに勝利するどころか、その実力を買って敵にも関わらず部下にスカウトしてしまう強心臓の草薙素子。こんな少年誌のバトル漫画顔負けの出会いと、2人の関係性が公安9課らしいとも言える。

 公安9課には、ここまで紹介した以外にも、コンビで戦闘や作戦実行を行うことが多いパズとボーマ、公安9課で唯一の妻子持ちで、生身の身体で戦うトグサ。ハッキングやネット解析のプロフェッショナルで普段は戦闘に参加しないイシカワ、思考戦車のタチコマ(人間ではないが……)、そして9課を立ち上げたボスであり政府関係者とも太いパイプを持つ荒巻などもいる。つまり“誰が最強なのか”もシチュエーションに応じて変わるが、独自の戦闘スタイルとバックボーンを持つメンバーの「スタンドプレーから生じるチームワーク」(荒巻)こそ公安9課の強みであり、「攻殻機動隊」シリーズの真の魅力なのだ。

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