『ブルーロック』國神錬介は作品世界の体現者だ スーパーヒーローから一転、ダークヒーローへ身を投じた男の物語

 「青い監獄」と呼ばれるストライカー養成施設に集められた300人の高校生ストライカーたち。脱落すれば即ゲームオーバー、さらには一生日本代表には呼ばれなくなるという崖っぷち上等デスバトルサッカー漫画『ブルーロック』(原作:金城宗幸/漫画:ノ村優介)。常に死と隣り合わせの世界にあって、恥ずかしげもなく自分の夢を口にしながら正々堂々と戦う姿が印象深い、まさにヒーローという言葉がぴったりのキャラクターが國神錬介(くにがみれんすけ)だ。

強靭なフィジカルと破壊力抜群の左足が武器

 本作の主人公、潔世一のチームメイトの1人でもあり、共にブルーロックで生き残りをかけたサバイバルバトルに挑む國神。188cmの長身に鍛え抜かれた肉体が特徴で、相手DFの接触をものともしない圧倒的なフィジカルがストロングポイントだ。利き足である左足から放たれるシュートの威力は凄まじく、ミドルレンジは勿論、さらに長い射程のシュートもゴールネットに突き刺すことが出来るパワーの持ち主だ。

 実在する選手では元コートジボワール代表であり、永らくプレミア・リーグのチェルシーでも活躍したディディエ・ドログバが最もイメージに近いだろう。

 ドログバも屈強なフィジカルとパワフルなシュート力を併せ持つ選手だ。戦術理解にも優れ、チームの為に献身的にプレーすることも厭わない。また、試合中はFKを任されることも多く、小さなステップからは想像も出来ないほど強烈なスピードボールをゴールネットに突き刺すことでも知られている。

 さらにその影響力はサッカーだけに留まらない。2005年10月には母国のW杯初出場を決めた試合後のロッカールームで、当時内紛状態にあった祖国に向けて内戦集結を願うメッセージを届けた。国民からの信頼も厚く、まさに国の英雄でもあるドログバ。

 國神の登場初期から発せられる言葉の数々にも一本心の通ったヒーローのような風情を感じる。そんなところも両者の共通点と言えるだろう。

関連記事