衆院東京15区補選、演説さえまともにできない異常事態に……選挙ライターに聞く“迷惑系”立候補者の問題点
既存マスコミの影響力が露呈?
ーー確かに、「大音量で暴言を言って妨害してくる」という攻撃方法自体は単純ですし、もう少しうまくやれないのかというもどかしさも感じます。ちなみに、今回の補選で他に注目しているポイントはありますか?
畠山:今回は自民党が候補を立てていないので、自民党支持者の票が誰のところに集まるのか、また自民党支持者はこういった状況では選挙に行かないのか……という点がひとつ注目のポイントだと思います。
ーー確かに、自民党支持者の動きは注目すべきですね。
畠山:あと、インターネットとテレビを中心とした既存マスコミの影響力の大小がわかりそうな選挙でもあります。というのも、今回の候補者9人のうち、6人は無所属なんです。衆議院議員選挙の小選挙区では無所属の候補者は政見放送ができないので、9人中3人しか政見放送を利用することができません。テレビで情報を得ている人からすれば、残りの6人は「あんな候補いたっけ?」という感じだと思います。
ーー以前だったら、事実上3人の候補の戦いになっていたわけですね。
畠山:ただ、残りの6人の中にはインターネットの中で支持が高い政治勢力から推薦されている候補もいるんです。だから、街頭演説ができないという点も含めて、テレビなど既存マスコミとインターネットとの影響力の強弱というか、どちらの効果が強いのかが、今回の選挙結果には現れると思います。
「演説」という、ある意味で民主主義の根幹に関わる部分をハックするような手法をとっているつばさの党。そして、その影響を受けざるを得なくなっている他の候補者たち。いびつな状況は、いまでも東京15区において繰り広げられ続けている。果たしてこの異常な選挙の結果はどうなるのか、28日の投開票が待たれる。