『葬送のフリーレン』ドワーフはなぜ一つのことに“200年”をかける? 職人たちの人生を考察

 これはドワーフという種族が極端に不器用だからではないだろうか。例えば口が達者であれば、協力者を募り資金の工面や作業時間短縮が図れただろう。アイゼンが魔族に知られるほどの強さを持ち、自由落下なら怪我一つしない戦士となったのも、200年斧を振り続け修行した成果だとすれば納得できる。

 さらに、400年近く村を守り続けているフォル爺も、フリーレン達によって魔王が討たれたとき違う余生の過ごし方を選択できたはずだ。人の生き様を色濃く描く本作において、不器用ながらも生涯をかけてひとつの事を達成するストーリーを描くのに、ドワーフは最適だったと考えられる。

 今後のストーリーの中で、また彼らのように200年の時を費やすドワーフが現れれば、なぜドワーフが一つのことに生涯をかけているのか、描かれることもあるだろう。

 現在単行本のストーリーでは、ヒンメル一行が7年かけて進んだところまでフリーレン達はたどり着いている。魔王城までもう少しではあるが、今後登場してくるドワーフたちにも注目していきたい。

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