なぜ今? 『スプリガン』から『ライジングインパクト』まで、令和に相次ぐ80年~90年代漫画のアニメ化

 連載中の人気漫画がアニメ化されることはよくあるが、中にはとうの昔に連載が終了した作品が幾年かの歳月を経てアニメになることも。たとえば、2024年6月からNetflixにてアニメ化が発表され話題を呼んだ『ライジングインパクト』は、『七つの大罪』で知られる鈴木央が1998年から「週刊少年ジャンプ」で連載していた作品だ。このように近年「なぜ今更?」と思わせられる、80年代や90年代の漫画のアニメ化が少なくない。

Netflixで続々配信される90年代を代表する作品たち

 2022年にNetflixでアニメ化され、2期が1月2日から配信されている『BASTARD!! -暗黒の破壊神-』は、1988年から「週刊少年ジャンプ」で連載を開始しその後休載や掲載誌の変更を経て、今なお未完の作品である。「超絶美形」「無敵の魔人」の主人公ダーク・シュナイダーは、大戦後に赤ん坊に転生したところを封印され15年の歳月を経て復活。闇の反逆軍団や魔物たちと死闘を繰り広げるファンタジー漫画だ。

 圧倒的な画力と緻密なストーリー構成でファンの多い作品だが、一方で過激な描写やセクシーなシーンも多く、アニメ化が発表された際には「本当に大丈夫なのか?」と話題になった。しかし制作側は「最近“なろう系”などの異世界ファンタジーが流行っていること」「全世界配信が可能になったこと」を理由に「“ダークファンタジーの始祖”と言われる同作品をアニメ化するなら今だ」とアニメ化プロジェクトをスタートさせたという。『BASTARD!!』は元々海外ファンも多いため、Netflixという媒体がぴったりハマったのも要因のひとつだろう。

 2023年に同じくNetflixで配信を開始した『スプリガン』も、映像化を危惧されていた作品だ。原作は1990年代に一斉を風靡したアクション漫画。超古代文明の遺産を悪から守るため、特殊強化服「A・Mスーツ」などの最新鋭技術を駆使して戦う主人公や仲間たちのアクションシーンに、ワクワクした読者も多いのではないだろうか。

 じつは本作品は一度劇場版にて映像化されている。大友克洋が監修を務めた1998年の劇場版の評判は非常に良く、それだけに今回の配信シリーズで「下手な作り方をして評価を下げないでほしい」との声が多かったようだ。しかし、いざ配信が始まると現代ならではの巧みな2D作画と3DCGの融合によるアクションシーンに圧倒される人が続出。ファンも納得のアニメ化となった。

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