【漫画】プテラノドンと生活したら、どうなるの? SNS漫画『恐竜と暮らす』に感じる遊び心と不思議な癒し

ーー本作を創作したきっかけを教えてください。

Pecco:SNSで『恐竜と暮らす』漫画を連載しており、前作は女の人と恐竜との暮らしを描きました。そのため本作は対照的に男の人と恐竜の暮らしはどんなものになるかなと考えました。

 また私はキャンプが好きで、キャンプの道具も描いてみたいと思っていました。雑誌で「男の隠れ家・小屋暮らし」といった特集も多いため、アウトドアな暮らしには男の人がぴったりかと思い、本作を創作しました。

 主人公が男の人なので、恐竜は相棒のような存在になるように意識しました。映画などで目にする寡黙な男の人と相棒である動物が、タッグを組んで活躍するアクションシーンに憧れていて……そんなイメージでプテラノドンを主人公の相棒のように描きました。

ーー男性の暮らすコンテナハウスを設計するなかで意識したことは?

Pecco:犬や猫を飼っている方は、暮らしもペットのことを優先したものになりやすいと思います。主人公も恐竜のことを優先して生活したいと思っているので、プテラノドンが羽を伸ばして過ごせるよう、少し人里から離れたところに住んでいるという設定にしました。

 恐竜と一緒に暮らす上で飼い主と関わる時間は必要だと思います。ただ屋内は翼の生えたプテラノドンと相性が良くないと思い、あえて人間の住まいをコンパクトにして外でプテラノドンと交流できるような家に設計しました。料理も屋外で行うため、毎日キャンプをしているような暮らしになりました。

ーー印象に残っているシーンを教えてください。

Pecco:本作の冒頭、ご飯がないから川の方に行こうかというシーン。そして釣った魚をプテラノドンにあげるシーンですね。自然が好きなのでこれらのシーンは気に入っています。

 あとは最後の晩酌のシーンも印象に残っています。漫画ではふれあいのシーンを描くことを大切にしているので、プテラノドンと一緒にご飯を食べるシーンは思い入れがつよいです。

ーー制作にはどんな画材をつかっていますか?

Pecco:作画のほとんどは紙とペンをつかっています。ネーム(漫画の設計図となるラフ画)は鉛筆でガサガサと描き、ペン入れでは水性ボールペンなどの画材をいくつか用いて制作しています。完成した原稿をパソコンに取り込んで、細かな修正や色塗りはデジタルツールをつかっていますね。

ーー漫画やイラストを描きはじめたきっかけを教えてください。

Pecco:小さい頃から絵を描くこととか好きで、授業中に落書きをして先生に怒られたりしていました。趣味でイラストを描き続けていましたが仕事にする気は全くなく、建築系の大学に進学していたので卒業後には設計事務所で6年ほど働いていました。

 ただ多忙になりアナログのイラストが描けないことにすごくフラストレーションがたまって……。そのため資格を取得できたタイミングで退職し、建築に関するイラストなどを描くようになりました。すると出版社の方からお声がけをいただき、建築系の雑誌やイラスト集のお仕事をいただけるようになりました。

ーーアナログの画材にこだわる理由は?

Pecco:アイデア出しとして手を動かすことが自分の中ですごくしっくりきているという点は大きいと思います。自分のスタイルに合っていると言いますか……。大学時代に他の学生はデジタルツールを用いて図面を引いていましたが、私は卒業制作までアナログの画材で図面を引いていた経験も大きく影響していると思います。

 昔の建築家さんたちはアナログの画材で図面を引いていたのですが、図面に描かれる線の美しさに自分はすごく惹かれて。建築について学ぶなかでアナログってすごいと感じ、その感動を伝えられたらいいなと思いながら紙とペンで漫画を描いています。

ーー今後の活動について教えてください。

Pecco:恐竜は子ども向け、男性向けのイメージがつよいかと思いますし、恐竜を題材とした作品も少ないです。自分の作品を通して建築好きな人や恐竜にあまり親しみがなかった人など、いろんな方に恐竜に少しでも興味を持っていただけたらいいなと思います。またSNSでの投稿だけでなく、できたら個展を開きたいなと考えていますね。

 また現在は恐竜との暮らしや建築を題材に作品を描いてますが、他のものを題材にした作品を制作し、自分の引き出しを増やしていきたいです。

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Peccoさんの作品『アンキロサウルスと暮らす長屋』はこちら
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