【漫画】囚われの姫を助けにきたのはイケメンの奴隷? 夢をモチーフにしたWEB漫画が面白い
――本作の反響などはいかがでしょう?
せん:TwitterよりもPixivの方で読まれているんですよ。たくさんのコメントもいただいています。
――着想についても教えてください。
せん:本作は2020年頃に見た夢を漫画にしたものです。腕っぷしの強い奴隷と頭が切れる姫がいちゃいちゃしているような設定が可愛くて。特にお姫様が高潔そうな性格なのにメロメロになる点がいいなと。
その設定だけ活かして、ストーリーラインは後でアレンジしていきました。前から面白い夢をよく見るんですよ。「そんな夢よく何度も見れるね」と言われます。
――夢は起きたら忘れてしまうこともしばしばあります。
せん:まず見たらメモとしてツイートしますね。ほとんど寝ていても必ず投稿して2度寝するみたいな(笑)。そうしたら後で「夢」と検索すれば思い出せるじゃないですか。
夢を見るときは第三者視点です。今回は姫の背後くらいで覗いていた感じでした。たまに一人称視点の時もありますが、その場合はなぜか災難にあうことが多いんですよ(笑)。
――奴隷を助けたことで姫は投獄されるということでしょうか。
せん:本の完全版では補足しているのですが、政治的ないざこざで敵国に捕まった設定でした。それでも敵国まで助けにくる彼にロマンを感じるというストーリーです。
――最後は今後のふたりの行く末を考えると、希望と不安が入り混じる味わい深いカットだと思いました。
せん:そこは演出的に決まったなと思う場面です。あと個人的にラブコメを描いたことがなかったので、助けにきた彼が抱きついて泣くところは新鮮に描けました。なお本作はネタが思い付いたら続きを描こうと思っています。夢の場面はそこまでなので以降は創作で描ければ。
――夢以外の創作はどこから着想を得るのでしょう?
せん:児童小説のファンタジーが好きで、それをイメージして描いています。小さい頃に読んでいたのは映画の原作としても知られる「魔法使いハウルと火の悪魔」を描いたダイアナ・ウィン・ジョーンズさんの作品、『精霊の守り人』を始めとした上橋菜穂子さんの作品、小野不由美さんの「十二国記」シリーズなど。その辺の影響があるかもしれません。
あと読者としては伏線回収がきれいなミステリー作品も好きですね。児童文学的な世界観でありつつ、長めのストーリーで伏線をばら撒いて、きれいに完結するような作品をいつかは作ってみたいです。
――今後の展望などがあればお願いします。
せん:Twitter上で連載している『閉じた国のホロン』をメインで描きつつ、余裕があったら読み切りも描いていく予定です。夢漫画は以前からシリーズで上げているので、そちらもチェックしてください。