【漫画】リキシャー運転手にお金を渡したら……インド体験漫画の美しい光景に感動の声
――多くの反響が集まっていると思いますが、ご自身としてはいかがですか。
武村沙紀(以下、武村):以前インドで詐欺に遭い8万円を取り返した話と、優しい現地の方を信じられなかった話を描きましたが、それに比べると本作は早いスピード感で描きあげています。だから、ここまで反響があるとは……。ポイントが絞れていて、読みやすかったのもバズった要因なのかなと。自分と同じ感情を読者の方々と共有できていたら嬉しいです。
――インドでは印象的な出来事が多かったのですね。
武村:たった3週間の滞在でしたが、印象的な出来事が多かったので順番に漫画にしていきました。他の作品は手記を基に描くことが主でしたが、本作だけは記録していませんでした。でもしっかりと記憶に刻まれていました。
インドでは誰でも何かしらの出来事を体験すると思います。大変なこともあるかもしれませんが、1度は行っていただきたいです。
――描く時に意識したことなどはありましたか。
武村:振り返った時に男性が祈っているシーンは、砂煙が立って騒がしい駅でした。でも彼の周りだけ音が無くなったように静かでした。その静けさを表したいと思って描いています。
――日本との違いを感じた点は?
武村:優しい人、そうでない人に限らず、誰もが積極的なところです。日本はもう少し人と人の間に距離感があるなと。確かに日本人からすると常識やモラルの感覚は違いますが、彼らのコミュニケーションの濃さも大切な気がします。
また私は今カナダに住んでいるのですが、こちらの人は日本人に比べて仕事の場でもその人であり続けている感じがします。
――子育てをされながらの制作についてもお聞きしたいです。
武村:子どもは1歳と5カ月なのですが、私自身も実際にやりながら試行錯誤している感じです。子育て漫画を描いている方はすごい。ただ、どんな時でもエッセイを描く時は、その瞬間をしっかり味わい自分の感覚や光景を刻むようにして、なるべく言語化することを心がけています。
フワっとさせずにイメージを持っていれば、メモを取らずとも自分のなかに記憶が強く残るはずだと…でも最近は物忘れも激しくなってきたので記録も大事かもしれません(笑)。
――今後の活動について展望を教えてください。
武村:今後は育児エッセイと、夫のヒロ君の面白い半生を漫画にできたらと思っています。今年、電子書籍『手をつないだ事も無いまま会って5回目で結婚する2人の話』をリリースしたのですが、次は書籍化を目指したいです。