【漫画】“記憶喪失の骸骨”が教えてくれる友人の大切さーー中二病青年に感情移入するSNS漫画『隣のドクロさん』

「ドクロと友達になりたい」

――『隣のドクロさん』制作の経緯は?

田淵:読み切り掲載を前提に現在の担当編集さんと制作した作品です。ただ、自分が描いた作品のことはいつもあまりよく覚えておらず、当時の詳細な状況はわかりません。結局掲載にはならなかったため今回SNSにアップしました。

――“記憶喪失のガイコツと中二病が抜けない男性”という秀逸な組み合わせはどのように思いついたのですか?

田淵:たしか『BLEACH』(集英社)を読んだ直後で、そこに登場するバラガン・ルイゼンバーンというキャラにハマっている時期でした。バルガンは骸骨の姿に変身するのですが、読んでいて「ドクロと友達になりたい」ということを考えて描き始めました。

――黒戸というキャラはどのようにして作り上げましたか?

田淵:“目隠れキャラ”が好きなので、私が描く主人公は基本的にはああいったビジュアルになります。性格は恐らく自分に近いです。キャラクターが弱いことを何度も担当編集さんに指摘されており、わかりやすい記号として中二病属性を付与しました。ただ、キャラメイクとしてあんまり上手くいったとは思っていません。

「人に頼らないと自分は生きていけない」

――存在的にはヴァイスのほうが“ボケ”の印象ですが、黒戸の中二病的なノリを冷静にツッコミでおり、むしろヴァイスのほうが常識人のように感じました。2人の立ち位置はどのように調整しましたか?

田淵:ボケとツッコミみたいな2人組を作るとストーリーが描きやすく、コミカルに寄せたい時はあのように主人公を2人組にすることが多いです。ギャップも意識してるので、見た目が変なやつのほうが中身はまともにしました。とはいえ、ギャップとしてはまだまだ弱いと思いますが。

――“死”という扱いが難しいテーマが後半の軸になりました。注意したことは?

田淵:私は持病があり、死ぬことを考えない日がないくらい死ぬことばかり考えています。“死”の扱いが難しいという感覚はありません。むしろ日常という印象です。ただ、「他の人にとってはそうではない」ということは理解しており、「全体的にコミカルにして、ここぞという時に一気に出す」と意識して描きました。

――笑える作品でしたが、友達の必要性を感じるストーリーでした。

田淵:重い精神疾患になった時、友達をほとんどなくしてしまい、とても辛い思いをした時期があります。また、その後「人に頼らないと自分は生きていけない」と思い、友達を多く作った経験から、今回のようなストーリーになったのだと思います。

――今後どのように漫画制作を展開していく予定ですか?

田淵:おかげさまでたまに賞をいただいているため、次こそは掲載を目指して作品を作っています。Xで『標的は同人誌即売会』という作品を連載しているので、ぜひそちらも読んでもらえると嬉しいです。また、過去に描いた作品もアップしているのでそちらもぜひ。

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