【漫画】少年と老婆はなぜ夫婦になった? 転生し続けるカップルを描いたWeb漫画に反響
――こちらは再掲の作品です。反響は毎回ありますか。
三簾真也(以下、三簾):特に意図はありませんでしたが、年に2~3回ほど定期的に投稿しています。本作に関しては1話完結として読めるのと、おばあちゃんと子どもが結婚している絵の引きが強いのか、上げる度に反響をいただきますね。
――本作は連載されていた『魔女と坊やの取引』のおまけ漫画として描かれたものだと思いますが、そもそもシリーズ制作のきっかけは?
三簾:Twitter漫画って数字が分かりやすい媒体なんですよ。商業連載のアンケートだと「今週は〇位、先週は〇位」という感じで、よかった点や反省が曖昧。だからいいねやリツイートなどの分かりやすい指標を参考に、どんな作品に反応があるのか勉強するつもりで書き始めました。それから「はっきりした関係性のあるキャラクター同士の話を描こう」と、年上の女性と少年のストーリーを週に4ページずつ投稿し始めたんです。
またTwitterではキャッチコピーも大切。それを見て興味を持つ人も多いと思い、連想しやすい「魔女と坊やの取引」という言葉を思い付いたんです。それから坊やが少年/青年/中年/老年とフェーズが変わっていくアイデアも、1作目を投稿する前日に浮かんできて。そのまま彼が死ぬまでやろうと。あとはハッピーエンドの方が安定して拡散される傾向だったので、ふたりのキャラクターがどのようにそれを目指すのかを逆算して組み立てていきました。
――他に意識したことなどはありましたか。
三簾:結末を読者にイメージさせることは意識しましたね。ちょうど本シリーズを描き始めた時に流行っていた「100日後に死ぬワニ」のように、「このまま坊やが年を取ると……」と。それにどう彼らが抗っていくのか、というのを考えたり描くのは楽しかったです。あと最後のデレるシーンは必要だなと思ったので「愛している、だ!」というシーンは不可欠でした。といっても基本的に何かを決めず、思いつきで描いています。
――ダラヲン、メリュジーヌという名前の由来は?
三簾:メリュジーヌに関しては自分がへび年なのもあり、最初から蛇にしようとは決めていたのですが1話目では名前がありませんでした。でも意味を持たそうと思って、中世フランスの伝承に登場する上半身が美女で下半身は蛇のキャラクターから採りました。ダラヲンは前世が蛇だったというタイの男の子が名前の由来になっています。
――本シリーズを書き終えて得たものなどがあれば教えてください。
三簾:「ぱっと見てどんな話かわかる」ことの大事さは感じましたね。ジャンルで読む人が多い印象で「こういう物語だな」と予測させる内容の方が拡散される気がします。あとは例えばラブコメで告白の途中で友達が邪魔をしてリセットされる展開って定番じゃないですか。
あれってシリーズを続けるには大事な反面、「面白いところを先延ばしにされた」という残念感に繋がってしまうんです。それでいいねが1/100くらいまで減ってしまう。でも友達に邪魔をされても、見えないところでヒロインが主人公の手を繋ぐとかがあればいい。残念な要素だけで終わらせずにプラスの場面も用意しておくと伸びやすい、というのは発見でした。
――今後の展望をお願いします。
三簾:いつも前よりもいいものを制作しようと思っています。あまりジャンルを決めて描いてよかった試しもないので、面白い企画を浮かんだら地道に面白く描くのみですね。