愛され指数“ゼロ”の女子高生は、本物の愛を見つけられるのか? イケメン大豊作のwebtoon『作戦名は純情』がスゴい

 ネット掲示板を眺めていたスマートフォンをスカートのポケットにしまい、代わりに取り出した二つ折りのガラケーを開く、物憂げな女子高生。ガラケーを人に向けると、ハートマークの横にある「メーター」が確認できる。それは、生まれながらに決められた一生の間に“愛される量”と、現在まで“愛された量”。人によって大きく違う数値を見て、彼女はその不平等さにため息をつく。自分自身にガラケーを向けて表示された“愛される量”の数値は、なんとゼロなのだーー。

©kkokkalee・Dledumb/LINE Digital Frontier

 そんな「愛のメーター」のプロローグから始まるのが、LINEマンガで配信されている話題のオリジナルwebtoon『作戦名は純情』(文:kkokkalee/絵:Dledumb)だ。

 本作の主人公は、かなりツイていなくて、どこか抜けていて、けれど健気で愛嬌のある木無愛実。恋愛もうまくいかず、彼氏の遠野智哉に雑に扱われ、血のつながっていない同い年の家族で親友の来夢と浮気されて……と踏んだり蹴ったり。しかし、不思議なガラケーと、なぜか同じケータイを持つ無愛想男・橘蓮、“愛される量”がズバ抜けた生まれながらのモテ男・百谷玲央らと日々を重ねながら、愛し、愛されるようになるための「作戦」を遂行していく。

 序盤からガラケーについて詳細な説明がなされることはなく、だんだんとその謎が明かされていくところが、ありふれたラブコメに飽きてしまっている読者にも刺さる。その一方で、胸がときめくキュンなシーンもマシマシなのが、本作の強み。胸がキュンとしたり、相手が嫉妬を感じたりと、さまざまな場面で上がるはずのメーターを「ゼロ」から動かすために奮闘する愛実は、自分がときめき、相手をときめかせる努力を重ねるため、自然と胸キュンシーンのオンパレードになる。

 さらにそんな彼女を取り巻くイケメンたちは、フルカラーで美麗に描かれているので、どれも目移りしてしまうほど。愛実の作戦に協力する橘蓮は、一見無愛想だが面倒見がよく、優しさを秘めたクール&ややツンデレな王子様。愛実への態度から当初は憎まれ役の彼氏・遠野智哉も、可愛らしい面が見え隠れして気になる存在であり続ける。学校一のモテ男・百谷玲央はミステリアスで隙がないように見えるが、徐々に愛実が気になっていく過程が愛らしい。ツボを押さえたキャラクター構成で、読者をソワソワさせる展開が続く。

©kkokkalee・Dledumb/LINE Digital Frontier

 とにかくイケメンと胸キュンシチュエーションを楽しみたい、という人にも当然おすすめだが、「不思議なガラケーをめぐるミステリー」以外にも、読んでいくうちに考えさせられる深いポイントがある。

 愛実は愛されたいと願い、メーターを上げる努力をするが、やっと1ポイント加算されたかと思えばすぐにゼロに戻ってしまう。心が通ったと思ったのに、本当は愛されていなかったーーということが数字で突きつけられるわけだ。しかし、この悩みや葛藤自体は多くの読者が共感できるものだろう。事実として愛されていないのか、メーターがバグっているのか、それとも何らかの思惑が働いているのか……というのは作中のミステリーだが、目に見える“結果”で一喜一憂してしまう愛実の姿にはリアリティがある。そして、愛されたいと願うばかりに、少し身勝手にも思える行動を起こしてしまうところも共感できる。

 智哉と浮気した来夢の存在も、作品に深みを与えている。容姿端麗で要領もよく、本来は性格もよさそうな彼女だが、どこか寂しさがあり、親友であるが「妹」と認識している愛実に対してやや歪んだ愛情を持っているようだ。これもひとつの「愛」の形と言えるのか、物語の続きが気になってしまう。

 イケメンたちのカッコよさや可愛らしさが爆発した作品でありつつ、愛し、愛されることの難しさを随所に感じさせられる『作戦名は純情』。愛実は本当の愛を手に入れることができるのか。一度読み出したら止まらなくなること請け合いの本作をまずは無料話で、楽しんでみてほしい。

『作戦名は純情』はこちらから!

https://lin.ee/KcX8GZF/pnjo

ユトレヒト『Hex』 / LINEマンガ『作戦名は純情』コラボレーションPV

©kkokkalee・Dledumb/LINE Digital Frontier

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