【漫画】座敷わらしが主人にイタズラをした結果は? セリフなしのSNS漫画がかわいいと評判
――本作を描いた経緯は?
チャロス:この座敷わらしの物語は2年前に連載していて、もう完結しているんですよ。それからも続編の要望が続いたので、1年ほど前に特別編的な位置付けで描きました。
――改めて続編を描いて感じたことはありましたか。
チャロス:自分で言うのも変ですが、「可愛いな」と思いましたね。小さい女の子が表面上は強がっているけど、実は甘えたかったり、仲良くなりたいのを隠すのを描くのが楽しかったです。そういう点が人気なのもありがたいなと。
――本シリーズの別エピソードはセリフがありますが、本作はゼロです。それについては?
チャロス:制作当時はセリフや文字に頼らない表現に挑戦していた時期でした。逆に、今描いている『スナイパー女子とゼロ距離先輩』は掛け合いで面白くしていくタイプの作品になっていますが、当時は他の創作漫画でもセリフのないものを描くことが多かったです。
もちろん、表現にどれが正解というのはないと思います。でもネットでは「文字が多くて読めない」という声もありますし、1度セリフなしに挑戦したことでディテールにこだわる意識が芽生えました。
――セリフを封印して学びになったことは何でしょう。
チャロス:セリフがない分、キャラクターの表情などが大事になってくるので、そこはこだわって描いていましたね。あとはカメラワークやコマ割りにも気を付けた記憶があります。ずっと正面からだと飽きてしまうので、俯瞰で撮ったり、引いたり寄せたり、コマの大きさも考えるのでメリハリが付くんですよ。
個人的に漫画制作は映画の監督や演出に近い気がします。ただ、映画は流動的で人の表情が絶えず移り変わっていくので、より作り込みが大変そうですね。
――擬音が効果的に使われているのも印象に残りました。
チャロス:さすがにセリフもなくて、擬音もないと限界があるかなと(笑)。迫力も出ないし、壁に頭をぶつけるシーンも音がないと寂しくなってしまうと思いました。擬音のフォントも可愛らしさを狙って手書きで描いています。ラブコメ感を全開にしてみたつもりです。
――こだわったシーンなどはありますか?
チャロス:主人にビンタしようとしたら起きてしまって、びっくりする時の顔ですね。ここの手の感じや表情は一番こだわったと思います。あとは、おにぎりを食べるシーンも可愛く描こうと考えていました。基本的に大きいコマには狙いがあります。
――また特別編として新たなエピソードを描く予定はありますか。
チャロス:本編は終わっているので続編を描くことはないにしても、最終回までのどこかの日常を描いた特別編は描くかもしれません。シリーズの過去作品の再掲載もしているのですが、それによって改めて多くの方に読まれるのも嬉しい限りです。
――他に今後、挑戦したいことなどあれば教えてください。
チャロス:以前「ネコムスメシリーズ」という漫画も描いていましたが、人間と妖怪の話が好きなんです。今描いている作品と並行して、そういうものも作りたいですね。あとは本作のようにセリフなしで、かつ切ない内容の『ポケモン』の漫画を描いていて、それも描いている時は作品に感情が入っていくんですよ。そちらも描いていければ。