『推し、燃ゆ』がついに文庫化! 全世界で80万部突破の2021年“最も売れた小説”

 第164回芥川賞を受賞し、2021年「最も売れた小説」となった新たなクラシック、宇佐見りん著『推し、燃ゆ』の文庫版が7月26日に河出書房新社より発売された。

 『推し、燃ゆ』は、ままならない人生を引きずり、祈るように「推し」を推す高校生のあかりを主人公とした小説。2021年1月、第164回芥川龍之介賞を受賞し、その後も、2021年本屋大賞へのノミネート、第7回沖縄書店大賞「小説部門」大賞受賞など注目を集めた本作はベストセラーとなり、「2021年もっとも売れた小説」として、この年を代表する作品となった。

 本書が脚光を浴びたことをきっかけに、熱狂的に応援する対象「推し」を持つこと、ライブへ足を運ぶ、グッズを集めるなど「推す」ことが更に社会的認知を広め、この年の「ユーキャン新語・流行語大賞」に「推し活」がノミネートされるなど、「推し」は一大社会現象となった。

 また『推し、燃ゆ』は、現在世界15カ国・地域で翻訳出版されており、全世界での累計発行部数は80万部を突破している。

 世界で注目を集める日本文学。その中でも近年稀に見る注目作となった『推し、燃ゆ』は、「推し」という最新のトレンドを扱いながら、非常に洗練された文章と高い文学性が海外からも評価を受け、世界各国の大手・老舗文芸出版社が権利獲得を競合。刊行当時、デビュー2作目の新人作家としては異例の事態となった。

 現在、英語、スペイン語、ロシア語他、世界15カ国・地域で翻訳出版され、“TikTok世代のキャッチャー・イン・ザ・ライ”(The Bookseller誌・英国)と絶賛されるなど、各国で話題を呼んでいる。

 主人公あかりの「推し」を推す姿に「私たちが生きる社会の寄る方なさ」を見取り、「本書もまた、誰かの背骨となりこの世界を生きるために足りない何か一つになり得るだろう」と賛辞をおくった、金原ひとみによる「解説」。自身の学生時代を振り返り、また、本作で用いた文体、表現を挙げながら、『推し、燃ゆ』という作品での試みを明かし、母校の生徒、読者へ「心の柔らかい部分をまもって生きてもらえたら」と思いを綴った、著者による「文庫版あとがき」も必読だ。

■各国での書評・コメント例(一部を抜粋)
日本初の痛烈で不穏な世界的ベストセラーは、
熱狂的なファンダムの世界における10代の断絶と孤独を暴露する。
Shelf Awareness (米国・Webニュース)

J・D・サリンジャーやケイト・ショパンのような人物主導の物語に熟達した能力を発揮している。
West Trade Review(米国・季刊文芸誌)

説得力と不安感が同居する『推し、燃ゆ』は、現代の若い女性にとって、現代の生活がいかに彼女たちを混乱させ、疲弊させているかを、完璧なまでに洞察している。
Buzz Magazine(英国・カルチャー誌)

■著者紹介
宇佐見りん(うさみ・りん)
1999年生まれ。2019年『かか』で第56回文藝賞を受賞しデビュー。同作は史上最年少で第33回三島由紀夫賞を受賞。第二作『推し、燃ゆ』は第164回芥川賞、第7回沖縄書店大賞を受賞し、2021年本屋大賞にノミネートされたほか、世界15か国/地域で翻訳が決定、単行本累計60万部を超えるベストセラーとなった。他の著作に『くるまの娘』。

■書誌情報
書名:推し、燃ゆ(河出文庫)
著者:宇佐見りん
仕様:文庫判/168ページ
発売日:2023年7月26日
税込定価:638円(本体580円)
ISBN:978-4-309-41978-7
カバー装画:ダイスケリチャード
カバーデザイン:佐藤亜沙美
https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309419787/

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