おかしの名前に“パピプペポ”が多いのはなぜ? 『言語学者、小学生の質問に本気で答える』気になる内容

 最近書籍のベストセラーを見ていると、「言語」にまつわる書籍が人気を博している。それには生成AIが話題となっている中で、潜在的に認知能力などへの興味が続いているところが挙げられるかもしれない。

 そんな中で注目の書籍がタイトルからして興味深い『なぜ、おかしの名前はパピプペポが多いのか?言語学者、小学生の質問に本気で答える』(川原繁人・著)が7月21日に株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワンより発売された。

 「ことば」というものは私たちにとってあまりに身近で、改めて「ことば」について問うことは少ないかもしれない。しかし「ことば」を見つめ直してみると実に多くの不思議に溢れている。

 そんな「ことば」のおもしろさに魅力を感じている人は増えており、Podcastで放送されている「ゆる言語学ラジオ」の人気や、『言語の本質』『言語学バーリトゥード』など、言語学を扱った書籍のヒットも相次いでおり、エンタメ性の高い言語学の人気が高まっている。

 そんな中、本書では、こどもたちの素朴な疑問から、言語学のおもしろさに迫っていく。著者は、言語学者・音声学者で、慶應義塾大学言語文化研究所教授の川原繁人。研究範囲はメイドからラップ、プリキュアからポケモンなど多岐にわたり、メディアからも注目される若手言語学者だ。

 言語学とは「私たち人間が毎日生活する中で使っている言語について、さまざまな角度から研究する学問」のこと。その中でも音声学では、人間が言語を使う時に発する「声の仕組み」を研究する学問。本書ではこの言語学・音声学を小学生にもわかりやすいよう紹介する。

 本書は著者が小学生に向けて行った、言語学の特別授業の様子を、できる限りそのまま再現したもの。事前に小学生から集めた、「ことば」に関する質問に対して、わかりやすく解説していく。

■内容紹介
Q.パピコ、ポッキー、アポロ、チョコパイ…etc。お菓子の名前にパピプペポが多いのはなんで?
A.「ぱぴぷぺぽ」には洋菓子に似合う外国っぽい響きがあるから&かわいいから&子どもでも発音しやすいから

Q.ポケモンのピィとグラードン、なんでグラードンのほうが強そうなの?
A.濁音には「大きい」「強い」というイメージがあるから

 これらのほかに『鬼滅の刃』やプリキュアなど、さまざまな題材をもとに言語学の核心に迫っていく。

■著者情報
川原 繁人(かわはら・しげと)
慶應義塾大学言語文化研究所教授。1986年、和光幼稚園、1992年、和光小学校卒業。2002年、国際基督教大学より学士号(教養)、2007年、マサチューセッツ大学より博士号(言語学)を取得。ジョージア大学・ラトガーズ大学にて教鞭をとったのち、現職。専門は言語学・音声学。著書に『「あ」は「い」より大きい!?』(ひつじ書房)、『音声学者、娘とことばの不思議に飛び込む』(朝日出版社)、『フリースタイル言語学』(大和書房)など多数。義塾賞(2022)、日本音声学会学術奨励賞(2015,2023)などを受賞。

■書籍情報
タイトル:『なぜ、おかしの名前はパピプペポが多いのか? 言語学者、小学生の質問に本気で答える』
発売日:2023年7月21日
刊行:ディスカヴァー・トゥエンティワン
仕様:四六判/288ページ
ISBN:978-4-7993-2975-7
定価:1870円(税込)
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