『JOJO』最新作『ザ・ジョジョランズ』はシリーズ初の“悪人”が主役? 5部主人公・ジョルノとの違い
ジョルノとジョディオに共通する要素は……
対称的なキャラクターと言えるジョルノとジョディオだが、両者の間にとある共通点を見出すこともできる。それは“悪のカリスマ”ディオ・ブランドーとの関係性だ。
念のため振り返っておくと、ジョルノはディオと日本人女性との間に生まれた子どもだった。そしてジョディオは血縁こそ不明だが、名前に「ディオ」の名が隠されている。
たんなる言葉遊びではなく、ジョディオとディオはその境遇にも近いものを感じざるを得ない。第1部の序盤で、ディオは父親から「金持ちになれ」という遺言を受け、ジョースター家へと取り入る計画を画策した。
金目当ての行動からスタートする点も含めて、大富豪を目指すジョディオの姿と重なる部分があるのだ。
とはいえディオの血族でありながら、ジョルノは他の主人公たちと同じように「善の道」を歩んでいった。それに対してジョディオがこのままディオのような生き様を見せるとすれば、シリーズで初めて「悪の道」を歩む主人公となるだろう。
もしかすると荒木は『The JOJOLands』にて、シリーズに通底する「黄金の精神」のあり方を問い直そうとしているのかもしれない。
善悪の基準が複雑化する現代社会にあって、『ジョジョの奇妙な冒険』の最新作はどんな景色を生み出すのか。ジョディオの物語の行く末に期待したい。