ジャンプ新連載『鵺の陰陽師』主人公より気になる“膳野くん” 次週以降も注目したい異様な存在感

 5月15日発売の「週刊少年ジャンプ」24号より、川江康太氏の新連載『鵺(ぬえ)の陰陽師』がスタートした。

WJ新連載『鵺の陰陽師』公式PV

 幼少期から「幻妖(げんよう)」と呼ばれる異形の生き物が見えた、夜島学郎。彼が入学した高校には誰も知らない部屋があり、そこには「鵺(ぬえ)」を名乗るサブカル好きの幻妖が封印されていたーー。

 本作はそんな導入からバトルに発展していく学園ものだ。本筋の具体的なネタバレは控えるが、王道感のあるストーリーだけに、多くの漫画を読んできている読者には展開の想像がつきやすいかもしれない。本作ならではのフックはどこにあるのか……と探り探り読んでいくと、妙に心惹かれるポイントがあった。不良生徒に“パシリ”にされそうになったところを、人の不幸を何より嫌う夜島が救いの手を差し伸べたクラスメイト・膳野くんの存在だ。

 黒髪のおかっぱにメガネ……と、顔だけ見るとモブ感のあるビジュアルの膳野くん。しかし「いじめられっ子」の印象は最初からなく、高身長もあって堂々とした居様が印象に残る。ケンカはそれほど強くなさそうだが、理不尽に屈さず、幻妖の襲撃に際しては、自身に暴力を振るった不良生徒まで助けようとする。口調はビジュアルに似つかわしくなくややぶっきらぼうで、ブリーフ姿(不良たちに服を脱がされたと思われる)で恐ろしい幻妖に立ち向かう姿がアンバランスでカッコいい。少し描き方を変えるだけで、主人公として成立しそうなキャラクターだ。

 妖怪を祓う陰陽師を主人公に据えた人気作は多く、巨大な力を持った妖怪がなんらかの事情で主人公に力を貸す作品もまた少なくない。序盤はキャラクターの魅力でどれだけ読者を惹きつけられるか、ということが一つのポイントになりそうだが、その意味では、まっすぐな主人公の夜島も、現状では恐ろしさより親しみやすさが強調されている鵺もなかなか素敵だ。その上に、異様な存在感のある膳野くんが登場したことで次週が楽しみになっている。

 彼は夜島の理解者を超えてバディ的な存在になるのか、もしかしたら鵺とは別の幻妖から力を授けられてもう一人のヒーローになるのでは……など、想像が広がる。第一話にして学園で起こった事件の行方とともに、膳野くんをはじめ、今後登場するサブキャラクターにも注目していきたい。

参考:WJ新連載『鵺の陰陽師』公式PV
   https://www.youtube.com/watch?v=IqRwUeAQ63k

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