【漫画】親切そうな黒ギャルの正体はまさかの……? 少年と犬の絆を描いた漫画が熱い

――本作の着想について教えてください。

水辺夏太郎(以下、水辺):犬と少年を中心にしたのは、最近ケモナー系の作品にハマっていたのが大きいですね(笑)。あと私はアイデアが降りてくるのを待つタイプなので、直観を大事にしています。SNSなどで良い作品に出合うと「自分も作ってみたい」と影響を受けるので、それと自分のアイデアを混ぜて制作することも多いです。

――制作にあたり工夫した点は?

水辺:とにかくテンポですね。読者に「40ページもあるのか」と思わせてしまったら、一気に読む気がなくなると思うので、「読んだ感」を失くすことにはこだわりました。ストーリーも説明を少なくして、読む人によって自由に解釈できる作品を目指しています。といっても、もちろん説明しない部分の答えは自分の中にはありますし、大事な部分は説明しますけどね。

――主人公・日月のモデルはいるのですか?

水辺:後先を考えずに行動しがちな自分の妹をモデルにしました。自由に動き回る彼女のイメージが土台にあります(笑)。

――なぜ狗神の名前が「まめ太」なのでしょう。

水辺:ギャップを持たせたかったんです。こんなにイカついのに名前が「まめ太」という(笑)。その対照性が彼のキャラクターにも表れている気がしますね。

――なるほど。作者としての一番の見どころは?

水辺:やっぱり子どもたちが蜘蛛の巣に捕らえられている場面です。「あのお姉さんが蜘蛛だったなんて!」とドキっとする瞬間になったなと。あのギャルがキャラデザインとしては一番大変であり、一番楽しかったです。

 もともと女の子を描くのが苦手でしたが、「自分はどういう女性に魅力を感じるのか?」と自問した結果、ギャルやヤンキーなどの強めで華やかな人にたどり着きました(笑)。成人誌を読んで研究したので思い入れがあります。

――他に苦心した点などはありました?

水辺:躍動感を出すところですね。止まっていたり、静かな場面は描けても、まめ太が走っているシーンも少年漫画を読んで研究しました。あとは背景。ホラーに近い雰囲気なので、黒と白の割合にも気を使いました。

――最後の「ごめんらさい」のシーンは白が多くなって、インパクト大でしたね。

水辺:日月が自分の行動に責任を認めて、成長を描いた大事な場面ですね。一方のまめ太も日月に対して心を開くようになる。「お互いが成長し、友情を深める」という裏ストーリーを感じてもらえれば。

 基本は読んだ後に温かい気持ちになれる漫画作りを心掛けています。あとTwitterには疲れている人が多いと感じるので(笑)、複雑すぎず心にすっと入るような漫画を描くようにはしていますね。

――今後の活動や展望を最後に教えてください。

水辺:妖怪系を描きつつ、片っ端から色々なジャンルに手を出して、新たな自分の作風を探すつもりです。そのなかで自分にとって大切なヒューマンドラマの部分で人の心を動かせる作品を描いていければ。

 

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